「世界一の選手にならなきゃいけない」イチローが“現役最後の日”に残した大谷翔平へのメッセージ いま強調したい「言葉」とは
そうした背景もあってイチローが引退会見で発した「世界一の選手にならなきゃいけない」という言葉は期待の大きさを示すとともに、あえてプレッシャーをかけるようにも聞こえた。
そこから時は経ち、大谷はレジェンドの期待に応えるような傑物となった。
21年にアメリカン・リーグMVPとなった大谷は、史上初となる3年連続での20本塁打&100奪三振も達成。メジャー挑戦当時に多くの人が「無理だ」と論じていた二刀流で球界を席巻し、「空想上の生物」と形容されるまでの存在となった。
今季も投打ともに好調で、打者としてはメジャー単独トップ(現地15日時点)となる22本塁打、OPS1.002をマーク。投げても防御率こそ3.29ながら、被打率はリーグ最少の.178、奪三振率も11.52とエース級の働きを見せている。ホームラン王とサイ・ヤング賞の同時獲得も可能だと感じさせる暴れっぷりだ。これはイチローの「世界一の選手にならなきゃいけない」という言葉を実現するレベルに達したと言っていいのではないか。
アメリカで苦しんでいた当時から大谷の底知れない可能性を信じていたイチローは引退会見で、こうも論じていた。
「サイ・ヤング賞とホームラン王を取ったら……。そんなこと考えることすらできないですよ。でも、翔平はその想像をさせるじゃないですか、人に。この時点で明らかに人とは違う、違う選手であると思うんですけれど。
その二刀流は面白いと思うんですよね。ピッチャーとして20勝するシーズンがあって、その翌年には50本打ってMVP取ったら、これは化け物ですよね。でもそれは想像できなくないですからね。そんな風に思っています」
はたして、球界屈指のカリスマが現役最後の日に言い放った「化け物」に大谷はなれるのか。連日のように話題を生み出し続けている今、その可能性に期待を抱かずにはいられない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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