センバツ中止で球児を救う方法はあるのか?「経験者」やOBからのアイディアとは?
球児を救う方法はあるのか。
新型コロナウイルスの影響で、19日開幕予定だった第92回選抜高校野球(センバツ)が史上初の中止となった。甲子園出場が幻となった選手は落胆し、涙に暮れた。
日本高野連の八田会長は「何らかの形で甲子園に来ていただけたら。甲子園の土を踏ませてあげたいので、今後検討していきたい」と明言。丸山大会会長も「感染拡大が落ち着いた段階で何ができるか。出場校の要望も聞きながら考えたい」と救済措置を検討するという。
どうやったら「救済」できるのか。甲子園切符を勝ち取ることがいかに難しいかを知る「経験者」たちがさまざまなアイデアを披露している。甲子園優勝3度の帝京・前田三夫監督は「夏の地方大会4回戦までシード」プランを語った。優遇措置を提案するプロOBも多いが、地方大会を勝ち抜ける保証はない。「夏の甲子園の開会式にだけ参加」プランも出ているが、センバツを逃した球児にとっての「救済」は「甲子園で試合をすること」が最低条件といっていい。
江川氏、赤星氏のアイディアは?
作新学院(栃木)時代に「怪物」と呼ばれた元巨人の江川卓氏は「春夏合同甲子園」プランを提案する。クリアすべき問題は多いと前置きしたうえで「夏の大会にセンバツ出場校も参加して、一緒に試合ができないものだろうか。出場校は多少重複するだろうし、期間も少し長くすれば」と語った。単純計算で春32校、夏49校で計81校。80試合を消化する必要がある。
江川氏と同じ考えの元阪神・赤星憲広氏はもっと具体的に踏み込んで「例えば、夏の地区予選は通常通り行い、センバツ出場予定だった高校が優勝したらそのまま、そうでなければ優勝校とセンバツ出場校の両方を代表として出場させる。出場校が70、80校となって運営が大変だろうけど、『大変な年』だからこそ『大変なこと』を検討すればいい」と訴えた。
春夏合同甲子園プランに、SNSでは賛否両論。会場や日程など大会運営面など実務的な部分はさておき、反対派は「夏の出場が決まっているセンバツ出場校は、地方大会で手を抜いて、甲子園に向けて調整する学校も出てくる。高校野球がおもしろいのは地方大会の必死さ」と指摘する。