大谷翔平は「誰かを信じた犠牲者」米作家が指摘した球界に汚点を残した大打者との相違点「向き合っている疑惑が違う」
ドジャース移籍で球界を熱狂させた大谷。その直後に発覚した騒動は今も話題となり続けている。(C)Getty Images
先月20日に発覚して以来、球界を騒然とさせたのが、大谷翔平(ドジャース)の専属通訳であった水原一平氏が違法賭博に関与したとしてドジャースから解雇された問題だ。
いまだ余波は広まっている。すでに大谷名義の銀行口座から米カリフォルニア州を拠点とするブックメーカーの胴元に450万ドル(約6億8000万円)の支払いが確認されており、球界屈指のスーパースターも司法当局などによる捜査の対象となった。
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もっとも、米スポーツ専門局『ESPN』で「翔平は助けると言った」と口にした水原氏の証言を大谷側は「嘘をついている」とキッパリと否定。さらに同選手の弁護士も「大規模な窃盗被害にあった」と訴え、問題の焦点は現在消息不明となっている元通訳の供述次第ともなっている。
ただ、関係者たちが腰を抜かした一連の騒動は波紋を広げた。米メディアでも大々的に報じられたなかで、多くの媒体が引き合いに出したのは、野球賭博に関わったとして、MLBから永久追放処分を受けたピート・ローズ氏のスキャンダルだった。
ローズ氏は現役時代にMLBの通算安打記録(4256本)を樹立しながら、レッズの監督だった1989年に先述の処分を食らったスーパースターだ。球史に残る大物の汚点であったからこそ、大谷に起きた騒動も同様に重く見るべき問題として括られた。
米紙『Fort Worth Star Telegram』は「オオタニが関わることになってしまったスキャンダルが、ローズ氏のそれのように語られるのは必然である」と指摘。さらに水原氏の証言に対する不透明な点の多さから、「89年とは時代が大きく異なり、MLBが発表したレポートを信じないかもしれない大衆の消費からすべては始まる。これまで以上に指先でもっと多くの情報を入手できるようになったが、私たちはほとんど信用していない」とも論じた。