言葉で人を動かすオシム氏は「サッカー界のノムさん」
◆指導
「レーニンは『勉強して、勉強して、勉強しろ』と言ったが、私は『走って、走って、走れ』と言っている。走りすぎて死ぬことはない」
「相手より5歩余計に走れば、その5歩がすでに勝利の5歩だ」
「日本人はシステム論議が好きらしいが、システムは保証でしかないことを理解したほうがいい。システムの奴隷になってはいけない」
「あまり指示を出さないジーコ監督を『放任主義』と言った人もいるようだが、何も言わない方が、時には言葉をより伝えることもあるものだ」
◆向上心
「敗北は最良の教師である。だから『明日の試合で負けたい』とは私はいえない」
「グラウンドへ出るのに勇気を持たない選手はいないだろう。たとえいたとしても、私はそういう選手は使わないし、勇気を必要としないスポーツに転向すればいい」
「自分を信じることだ。自信のない者に戦う資格はない」
「限界には限界はない。限界を超えれば、次の限界が生まれる」
◆アイデンティティー
「勝つと大切な直すべき点が見えてこない。歴史、戦争、原爆の上に立って考えるべき。負けたことから最も教訓を学んでいる国は日本だ。失敗から学ぶ姿勢がなければ、サッカーは上達しない」
「なぜ日本人はゴールの前で責任を放棄するのか? リスクとは負けることによって認識すべきものではない。だが日本人は、誰もが敗戦を恐れすぎているのだ」
「世界基準があっても、日本は誰のまねもしない方がいい。ほかの国にないものを持っている。俊敏性、積極的な攻撃、高い技術。でも、教育の段階から自由に判断することを許されていない」
◆考える
「サッカーに最も必要なのはアイデアだ。アイデアのない人ももちろんサッカーはできるが、サッカー選手にはなれない」
「人の頭ではなく、自分の頭で考えなければならない」
「ピッチで指示を待ち続けていたら、試合には負けてしまう。私が望むのは、対戦相手のことを考え、敵にとって危険な地帯に進入していくプレーだ」
「ポジティブシンキングに客観性が加わるときに、平常心は生まれる。逆に何も信じるものがなくなったときに、あらゆる可能性が泡となってその姿を消す」
◆リーダー
「監督というものは心理学者であり、教育者でなければならない。それに時々は上手にウソもつかなければならない」
「監督というものは、常に何がうまくいっていないかを探さないといけない。私はブラシのようなもの。常にホコリをはらうことをしないといけない」
「リーダーとは生まれつきのものだ。リーダーとして生まれるか、そうでないか。学べるものではないし、そのための学校もない。そこに難しさがある」
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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