「エンジョイベースボール」の想いを伝えたい 異色のキャリアを誇るジョニー・セリス 日本野球界での歩み
その後、公私両面で支障が出ない程に日本語が上達。8年にわたり選手生活を送った後、2020年には日本ハムからのオファーを受け、外国人選手の専属通訳も務めた。NPBで通訳として1シーズン活動すると、ジョニーのもとに独立リーグ球団から監督としてのオファーが届く。この当時の日本ハム球団での忘れられないエピソードを教えてくれた。
「日本ハムで通訳として活動し、シーズン終了の報告のため、栗山英樹監督(当時)の部屋に行きました。翌年の独立リーグ監督就任が決まったことなどについて話すと、栗山監督やコーチの皆さん、スタッフの皆さん全員が『おめでとう』と言ってくれたんです。『これからも応援するね』と激励の言葉もかけてくれて、その時の祝福に自分はすごく感動しました。僕の日本のキャリアの中でも特に思い出として残っていますね」
2021年以降は監督や選手兼任コーチなど、指導者としての役割も担うようになった。若い選手たちと接する上で常に意識している、指導者としてのコンセプトを聞いた。
「自分はいつも『エンジョイベースボール』という言葉を選手に伝えています。その言葉には、もちろん野球を楽しむという意味もありますが、“一生懸命”や“ハングリー”という想いも持って欲しい、“心を燃やしてプレーに取り組んでほしい”、そういう意味も込めた言葉なんです」
すでに来日から10年以上が過ぎたものの、野球への情熱が衰えることはない。日本で培われた熱いハートは今もなお、燃え滾っている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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