今秋ドラフト「最大の隠し玉」田澤ルールと田澤純一の今後
今秋ドラフトの隠し玉となるのか。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で開幕もままならないプロ野球だが、スカウト陣が密かに動向を気にしているのが、レッズを解雇された田澤純一投手だ。
田澤は昨年8月にレッズとマイナー契約を結んだ。今春はメジャーキャンプに招待選手として参加していた。だがオープン戦は1試合に投げただけで、3月中旬に契約解除されたことが報じられた。4月2日にレッズから正式に自由契約となったことが公示されていた。
田澤は横浜商大高から社会人の新日本石油ENEOSを経て、2008年12月にアマチュアFAとしてレッドソックスと契約し、海を渡った。当時、日本プロ野球でもドラフト上位指名候補に挙げられており、指名見送りを各球団にお願いする異例の措置が取られた。
この問題が契機となり、後にドラフト指名を拒否して海外プロ球団と契約した選手は、退団後も一定期間(大卒・社会人は2年間、高卒は3年間)はNPB球団と契約できない、いわゆる田澤ルールが設けられた。
メジャーでも屈指の実績を持つ中継ぎ投手の一人
田澤ルールが田澤本人にも適用されるのか否かは、不透明な部分がある。一つだけ確かなのは、田澤がNPBでプレーするためには、ドラフト指名される必要があるということだ。
過去にドラフト指名を経ずにメジャー挑戦した、マック鈴木、多田野数人は、いずれもオリックス、日本ハムからドラフト指名され、NPBでプレーした。
田澤は入団1年目の2009年にメジャーデビュー。メジャー通算9シーズンで388試合に登板し、21勝26敗、4セーブ89ホールド、防御率4・12という成績を残している。2013年には抑えの上原浩治につなぐセットアッパーとして活躍し、ワールドシリーズ制覇の一翼を担った。その2013年から、マーリンズ時代の2017年まで、5年連続50試合以上に登板。メジャーでも屈指の実績を持つ中継ぎ投手の一人だ。