「フェザーで最高のジュントを」名伯楽が明かした中谷潤人の“真価” 将来的な井上尚弥戦はありえるか?
井上と中谷。この日本ボクシング界が誇る偉才同士が拳を交わすとなれば、話題沸騰となるのは必至だ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images
異能さを世界に知らしめた。2月24日に東京・両国国技館で行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチで、挑戦者で同級1位の中谷潤人(M・T)は、王者のアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回TKO勝ち。日本男子では、井上尚弥(大橋)、田中恒成(畑中)に続く全勝での世界3階級制覇を成し遂げた。
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減量苦から解放された“ネクストモンスター”は強すぎた。趨勢を定めた6回はワンツーからの左ストレートで1度目のダウンをもぎ取ると、再開から間もなくして右フックを炸裂させてレフェリーストップに追い込んだ。そのキャリアでダウンすら経験がなかったサンティアゴを打ち砕いた。
「この試合に向けて死ぬ思いで頑張ってきた。(これからも)みなさんの期待に応えられる熱いファイトをしていきたい」
試合終了後のリング上でマイクを向けられた中谷はそう叫んだ。自ら「ターニングポイント」と設定した挑戦で結果を残した戴冠劇には、名伯楽も安堵したに違いない。セコンドについていたルディ・エルナンデス氏だ。
試合前から自信は覗かせていた。米メディア『SNAC』にヘルナンデス氏は「ジュントはこれまで一緒に仕事をしてきた中で最高のファイターで、弟よりも優れていると思う。この男はいろいろなことに挑戦しようとするし、我々が叩き込んだことをすべて実行してくれる」と中谷を激賞。カットマンとしての仕事もこなす名トレーナーは、スーパーフェザー級の名チャンピオンであった弟のヘナロを超える存在として26歳の日本人を誇っていた。