頼むから出ていって!引き留められなかった日本ハムFA杉谷が残留
「補欠」の選手で、これほど話題になる男も珍しい。
プロ野球・日本ハムの愛されキャラとして知られる杉谷拳士内野手(29)が爆笑残留会見を行った。11月30日、千葉・鎌ケ谷市の2軍施設で、今年取得した海外フリーエージェント(FA)権について「FAを行使しま………せんでした!」と表明した。
FAといえば、引き留めにあうのが通例だが「コーチ、選手、さまざまな方から『早く出て行けよ』という話をされました。みんな僕がどこか行くものだと思って後輩たちも顔を合わせるたびに『ありがとうございました』と。何の話が回っているんだと、ちょっとパニクっていました」と明かした。
矢野コーチから「行使しろ!」、先輩の鶴岡から「チームのために行使してくれよ」とお願いされた。栗山監督からも「海外は合うかもしれないね。無類の明るさ、人間にとって1番大事な要素だから」とまさかのメジャー挑戦『容認』。人生の一大事であるFAをネタにされ、笑いに代えてしまう選手は極めて珍しい。
帝京高校野球部の先輩にあたる、とんねるず石橋貴明にも特別にかわいがられている。石橋が開設した登録者100万を超えるYouTube「貴ちゃんねるず」では、1週間の杉谷の数少ない?活躍、動向を語る「今週の杉谷」コーナーを設けているほどだ。
一般的には、石橋が出演するテレビ番組企画「リアル野球BAN」対決に欠かさず出演し、他のゲスト選手に比べて実績もないのに、必ず笑いの爪痕を残す「帝京魂」の男というほうが、顔が知られているかもしれない。
今シーズン、先発こそ少なかったが、内外野を守るユーティリティープレーヤーとして自己最多88試合に出場。2本塁打11打点、打率2割2分1厘をマークした。プロ12年で1度も規定打席に到達したことはないが、底抜けの明るさでベンチを盛り上げ、お茶の間に届けるネタの精度は高い。