指揮官交代も100敗ペースから上向かず 西武に必要な再建への「長期ビジョン」
低迷するチームをどう再建していくのか。西武首脳陣のかじ取りに注目が集まる(C)産経新聞社
異例の交代劇も、チームを上向かせる特効薬にはなりませんでした。
現在、63試合を終えて19勝44敗の借金25、勝率.302と苦境にあえぐ西武です。交流戦前の5月26日には松井稼頭央監督の休養と、渡辺久信GMが翌日付で監督代行に就くことが電撃発表されましたが、直後の交流戦でも4勝14敗と最下位に沈み、浮上のきっかけをつかめずにいます。
スポーツ紙のプロ野球担当記者は言います。
「打線があまりに迫力を欠いています。交流戦のチーム打率は.171。交流戦のチーム防御率は3.23と投手陣は頑張っていただけに、攻撃陣があまりに力不足です。交流戦も開幕カードの中日戦(バンテリンドーム)では2勝1敗と勝ち越し、『これはイケるかも』と思ったのもつかの間、6月2日の本拠地巨人戦からは8連敗。ウィットに富んだ西武ファンからは『交流戦が全部中日戦だったら、12勝6敗だったのに!』との嘆き節も聞こえてきます」
他球団を見渡してみれば、交流戦前、貧打に苦しんでいた巨人は新外国人選手のヘルナンデスが加入したところ、打線が上向きになりました。西武も途中加入の助っ人が起爆剤になればいいのですが……。
「西武も獲得調査は進めていると思いますが、予算も限られており、強力な選手が加入するかは未知数。実際問題、現在のところは年間100敗ペースですから、ここまで来たら今季の最下位はやむを得ないと思います。むしろ、必要なのは再建に向けての『長期ビジョン』ではないでしょうか」(前述の記者)