「平成の大エース」斉藤雅樹さんが語る、下位常連だった広島が強豪球団になった理由は?
ジャイアンツのエースとして、在籍19年で6度のリーグ制覇・3度の日本一に大きく貢献した「平成の大エース」斉藤雅樹さん。2019年シーズンは解説者として、さまざまなチームを見ている斉藤さんに、5・6位が定位置だった広島が、V4を狙えるチームになった理由を伺いました。
ブレイクする選手が多すぎる!?毎年出てくるキーマン
―広島が強くなった理由は、どこにあると思いますか?
斉藤:菊池涼介、田中広輔、鈴木誠也、今は巨人にいる丸佳浩。普通、普通、ブレイクする選手は、1年にひとりいるかどうか。それにも関わらず、みんな同じ時期に成長して、毎年きちんと結果を出しているっていうのが、連覇に繋がっていると思いますね。総合力が底上げされていて、点の取り方にしても、無駄なアウトがない。ノーヒットでも1点を取ることがきちんとできる、ファーボールを選んで進塁打打って、犠牲フライとかね。
あとは。最後まであきらめない。結構、投手陣は打たれているんですよ、広島は。だけど、それ以上に打ち返しているんですよね。巨人が7点リードしていても、広島は全然諦めなくて、ポンポンと返されて追いつかれて、最終的には延長で負けてしまう。普通は、投手が大量得点を取られると、野手はもう諦めてしまうことが多く、ベテランに『お前ら諦めるな』って言ってもそうはいかない…。若い時から、『諦めない』という教育を、広島がずっとしてきているんだと思いますね。
―勝利に対する広島の姿勢。大量リードしていても諦めないというのは、相手側からすると凄いプレッシャーですよね?
斉藤:そうですね。ここ数年で、諦めない、追いつかれる、広島は強い、そういうのが、叩き込まれた感じですね。結構、酷い負け方していたとしても、しゅんと落ち込んでいない、あまりめげない、引きずらない、そういう空気感がありますね。選手だけでなく、ファンもそういう姿勢ですね。