本当に誰も勝てないのか? “亀戦法”を考案したバトラーの敏腕トレーナーが明かした井上尚弥の「攻略法」
数多の猛者たちをリングに沈めてきた井上。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
「勝てる選手は誰もいない」
「弱点はない」
群雄割拠のボクシング界でも“世界最高”と評される井上尚弥(大橋)を評する声は枚挙に暇がない。文字通り敵なしの快進撃を続ける31歳の偉才だけに、ほとんどの識者やメディア、そして現役選手たちも勝ち筋を見通せず、いかなる試合においても彼の「勝利」を予想する。
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こうした評価は井上がいかに図抜けたファイターなのかを実感させる。「本当に勝ち筋はないのだろうか」と想像を張り巡らせても、心身ともに充実する現在の彼が相手に付け入る隙を与えるとはやはり考え難い。それは5月6日に東京ドームで行われるルイス・ネリ(メキシコ)とのタイトルマッチでも同様であり、29歳のメキシカンも怪物にのまれるというイメージしか沸かないと言っても過言ではない。
ただ、少なくとも彼と対戦してきたライバルの関係者たちは、井上に勝とうと目論んだわけである。その一端を知るのは興味深くもある。
「僕らは良い仕事をした。批判を受けたが、一体、あれ以上になにができるというんだ。彼(井上)を無力化し、ショットを思うように打たせずに、とにかくイライラさせてからカウンターでダメージを与えていくことはやった」
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