「自信の無さか」井上尚弥の“Sバンタム級停留”に米メディアが異論 有力視されるグッドマン戦は「無難な試合」と断言
東京ドームという大舞台でネリも打ち破り、また一つキャリアをステップアップさせた井上。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
プロキャリアで4階級を制覇してきた井上尚弥(大橋)。その敵なしの快進撃はどこまで続くのかは、世界中で関心を集めている。
歴史的な勝利を挙げた井上に対する評価はうなぎ上りだ。5月6日に東京ドームで34年ぶりに実現したボクシングの興行で、元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKOで完勝。初回にまさかのキャリア初ダウンを喫したが、そこから容赦なく攻め立て3度のダウンを奪取。会場に詰め掛けた4万3000人のファンや関係者たちを熱狂させた。
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激闘の興奮が冷めやらぬ現地時間5月9日には、業界で最も権威があるとされる米老舗誌『The RING』のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で約1年9か月ぶりに1位に選出。「彼こそが至強だ」(ダグラス・フィッシャー編集長談)とし、テレンス・クロフォード(米国)やオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)といった猛者たちを抑えて「世界最強」の評価を得た。
いまや世界屈指の存在となった井上。今後の戦いも必然的に注目されるわけだが、すでに年内はスーパーバンタム級での試合実施を公表。次戦は、ネリ戦後にリングに招き入れたIBF&WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)と9月に国内で対戦することが決定的と見られている。
そんな怪物の“将来図”には、米メディアも興味津々といった様子で熱視線を向ける。ボクシング専門サイト『Boxing News 24』は、井上との対戦歴を持つ元WBO世界バンタム級王者のポール・バトラー(英国)の「最終的にイノウエは体格によって負ける。あれだけ偉大さを重要視している彼は、最終的に体格差が大きく影響するようになる」という分析を紹介。そのうえで、階級上げに慎重な姿勢を見せている“無敵の日本人”に手厳しい意見を寄せている。
「ナオヤ・イノウエはフェザー級では勝手が違うことを心の底では知っている。だからこそ、彼はより安全なスーパーバンタム級にとどまることを選んだのだ。イノウエにとってフェザー級は、自分を打ち負かす可能性があるだけでなく、ノックアウトしてスター性を失わせるようなファイターとリスクのある対戦しなければならない。これまでとまったく違う戦いを強いられるのは明らかだ」
日本の偉才に辛辣な言葉を投げかける同メディアは、「フェザー級に転向して実力者を倒した方がイノウエの人気は上がる」と断言。そして、挑発的に切り込んでもいる。