「全員が生気を失った」豪放送局が伝えた井上尚弥戦延期の“葛藤” 関係者が明かしたグッドマンの悲壮な姿「スパーリングは正しかった」
井上戦に向けて猛練習を重ねていたグッドマン。(C)Getty Images
「あれほど打ちのめされた顔をしている人間を見たことがない」
今回のアクシデントを受け、井上陣営との対戦交渉も緊急的に行ったというローズ氏は「私たちはすぐに日本人たちと話し、カットで何が起こったのかを伝えた。そこで必ず6週間以内に回復させるつもりだと話した」と告白。その上で「正直に言うが、サムにとって、今何が起こったのか理解することすら難しい」と打ち明け、左まぶたを4針も縫う大怪我を負ったグッドマンの精神的な落胆ぶりを語った。
「過去12週間でサムが払った犠牲は、人生で払える最大限の犠牲だと言える。彼はここに来るまでに本当に素晴らしい姿を見せていた。だからこそ信じられなかった。私がジムに入ると、彼は階段に無気力に座り込んでいた。プロスポーツ界であれほど打ちのめされた顔をしている人間を見たことがない。私は彼に何を言っていいか分からなかったから、ただただ同情するしかなかった。スパーリングではヘッドギアをちゃんと装着し、すべてを正しく行っていたからね。すべてがとても悲惨だった」
負傷後に自身のインスタグラムで「イノウエ選手にもお詫びしたいと思います。彼と彼の陣営はこの試合のために一生懸命準備してきたと知っているので、本当に申し訳なく思っています」と口にしたグッドマンにとって救いとなったのは、井上側の反応だろう。来年1月24日に決まった延期のスケジュールもつつがなく進み、王者本人もXで「お互い最高の状態で闘おう」とメッセージを発信していた。
約1か月後に左目を回復させ、万全の状態で王者に挑めるか。過去19戦無敗の挑戦者は、その真価が問われている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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