衝撃ダウンは「感触がなかった」 名勝負を生んだカルデナスが告白した井上尚弥との8Rの舞台裏「戦い続けたイノウエは真の戦士だ」

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「敗北の中にも見出せる価値はある」――井上に敗れて溢れたボクシング愛

 最終的に8回に井上の猛ラッシュを浴びて、リングに沈んだカルデナス。レフェリーに試合を止められた瞬間は「まだやれるとは思った」と悔しさがこみ上げたが、29歳の戦士は「ああいうことになる予感はあった。だから陣営には『戦場で散る覚悟はできてる』って伝えていたんだ」と素直に敗戦を受け入れている。

 敗れはしたが、世界が認めるほどの強さと気骨を見せた。そんなカルデナスは、ボクシングに対する熱き想いも口にしている。

「負けたけど、何があろうと戦い抜く証明はできたと思う。ただ、俺はボクシングを愛している。戦うのが好きなんだ。戦場に出向いて、自分の覚悟を示す。そうやって証明するんだ。ボクシングは死んじゃいないよ。

 これは“人気”を競う競技じゃない。インスタグラムのフォロワー数で勝負してるわけじゃない。ベストとベストが戦うことこそボクシングだ。負けたのは悔しいけど、イノウエや周りの人たちには感謝をしているし、今は幸せな気分だよ。敗北の中にも見出せる価値はある」

 敗れてなお、威風堂々と振る舞い続けたカルデナス。最後の最後まで清々しくい続け、井上を追い込んだ挑戦者には、観る者を魅了する覚悟があった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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