“2度目のダウン”を喫した井上尚弥の「気になる点」 アフマダリエフ戦に向けて警戒すべきポイントは?
9月のアフマダリエフ戦に向けて、この辺は修正してくるのではないでしょうか。今回の井上選手のダウンシーンは、去年のネリ戦と同じように左の打ち終わりに左フックを合わせられた形。アフマダリエフはフック系も上手い選手なので、距離が近いと今回のようにパンチをもらう可能性があります。アフマダリエフも今回の試合を分析して打ち終わりを狙ってくるはずですからね。井上選手はガードや距離感についてのリスクヘッジをしっかりして挑んでほしいところです。
井上選手は今までが完璧だったので、少し“エラー”を起こすとみんなが不安に感じてしまう部分はあると思います。本来ボクシングとは、こういう「倒し倒され」というものなんですが、井上選手があまりにも別格の実力を示してきたので、予想外のことが起きるとみんなが不安を感じてしまう、ということです。
アフマダリエフ戦の先には12月にもう一戦、そして来年には中谷戦が待っています。中谷選手との試合は歴史に残るものになるでしょうね。井上選手はもちろん、中谷選手もハイレベルな技術を持っていますから、ふたりの対戦ではボクシングの進化した姿が見られると思います。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【解説】須佐勝明(すさ・かつあき)
1984年、福島県生まれ。会津工業高校から東洋大学へ。2012年、自衛隊体育学校所属時にロンドン五輪に出場。ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太は東洋大学の1学年後輩にあたる。株式会社AYUA代表取締役。日本ボクシング連盟理事。日本オリンピック委員会ハイパフォーマンスディレクター。SUSAGYM会長。アジアコーチ委員会委員長。共同通信社ボクシング評論担当。会津若松市観光大使。ほか。
【画像】ラスベガス熱狂の決戦! カルデナスを圧倒した戦慄KOの井上尚弥を厳選ショットで一挙紹介
【関連記事】「止めるのは早すぎた」世界王者フルトンが異論 井上尚弥の8回TKOシーンの審判判断に議論噴出「レフェリーが救った」
【関連記事】「私は君を救わないといけない」――闘志消えぬカルデナスを止めたレフェリーの“名判断” 井上尚弥の恐ろしさを示す「64」






