井上尚弥が刻んだ“王者の所以” フェザー級新鋭が熱く語ったカルデナス戦の凄さ「同じパンチを二度と打たせない規律がある」
さらに「イノウエは本当に素晴らしかった」と続けるキャリントンは、「カルデナスにはパワーがあって、イノウエとはスタイル的に相性が合わないだろうと思っていた。試合前から俺は彼(カルデナス)が強烈なパンチを繰り出せば、イノウエすらも窮地に追い込む可能性があると考えていた」と指摘。戦前に抱いていたという自己分析を明かした上で、こう続けている。
「イノウエはチャンピオンだった。彼は本当に見事に調整をした。イノウエは常に徹底して規律正しい。試合中、彼のパンチはどれも力強く放たれる。それは素晴らしいフォームとバランス感覚を持ち、常にパンチを放つ準備ができているからこそ、だ。
あと同じパンチを二度と打たせないという守りの規律も素晴らしい。それこそ彼の勝利から俺が得られる最も重要な点だ。もし、規律が乱れていたら、おそらく彼はダウンしたのと同じパンチを繰り出されていたと思う」
年内にフェザー転級が濃厚視されている井上。となれば、遠くない将来にキャリントンと拳を交わす可能性もゼロではない。ただ、28歳の新鋭は「まだ実現するかは分からない。とにかく今は自分自身のフェザー級タイトルを巡る戦いに集中している」と冷静に指摘。そして、あらためて日本の怪物へのリスペクトを語った。
「イノウエがここ(アメリカ)で試合を続け、ああいうパフォーマンスを見せ続ければ、もっと多くの人が彼を知り、『ああ、イノウエはなんて選手だったんだ』と理解するだろう。アメリカで実績を残し続けることで、ここでより大きなスターとして扱われるのは間違いない」
フェザー級の名手に「王者の何たるか」を印象付けた。ボクシングのメッカで繰り広げられた井上の防衛劇は、後に彼のキャリアを振り返る上で「伝説」として昇華されるかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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