衝撃ダウンから這い上がった井上尚弥が揺さぶった勝負師の感情 実戦遠のくドネアが漏らした“宿敵への本音”
「試合を見て、またリングに上がりたいという気持ちが高まったのは間違いない。そしてインタビューの場で、イノウエの隣に座った時に『あぁ自分もそこに行きたいな』という気持ちにもなった」
当然ながら、もう全盛期の身体ではない。以前よりもパンチのキレやスピードに衰えは生じている。しかし、井上の戦いを見て勝負師の感情を揺さぶられたドネアは告白する。「イノウエとも戦えるなら、もちろん戦いたい」と。
無論、23年7月のアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)戦以降、実戦から遠のくドネアだけに、井上と3度目の正直が実現する見込みはない。それは百戦錬磨の本人が何もよりも理解している。それでも「レフェリーが止めない限りは何度でも立ち上がる。それが私のスタイルだ」と語る42歳は、今取り組んでいるバンタム級での挑戦に意欲を示している。
「バンタム級なら誰とでも戦うつもりだ。ここが私の居場所だと思っている。とにかくベルトを獲るっていう、そういう戦いをもう一度やりたいんだ。私自身、まだ十分に戦えると思っている。だから、できる限り長くいるつもりだ。
私がチャンピオンを倒したり、競い合ったりできる限り、私はそこにいる。最終的には『なあ、お前にはもう力がないぞ』って言われるかもしれないし、個人的に『疲れた』と思う時が来るかもしれない。でも、今はそういう気持ちはない。今はそこにいられることに夢中になっているし、ワクワクしている」
ドネアをふたたびリングへと駆り立てた井上。彼がラスベガスで繰り広げた戦いは、さまざまな人に影響を与える価値ある一戦だった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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