F1撤退というマイナスイメージをホンダは払拭できるか

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 F1第11戦アイフェルGPが9日、独ニュルブルクリンクで開幕した。ホンダが2021年シーズを最後にF1から撤退すると発表して初のグランプリ。8日に行われた公式会見でもその話題で持ちきりとなった。

 レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)は「残念なことだが、彼らの理由も理解できる。最後のレースまでプッシュし続ける」と気丈に答えたが、撤退方針については「前に感じていたし、発表前に少し(情報を)得ていた」とした。

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F1のレッドブル・ホンダのマシン(ホンダ提供)


 今季はフェルスタッペンが1勝し、アルファタウリのピエール・ガスリー(フランス)も自身初優勝。計2勝を挙げて唯一、メルセデスを追い落とせる存在となっていただけに、モータースポーツ業界は「ホンダショック」に陥った。

 同情を禁じ得ないのはホンダF1の現場を預かる田辺豊治テクニカルディレクターだ。F1ブームだった同社の第2期F1プロジェクトから3期連続で終焉を経験することになったからだ。

 第2期の最終年は1992年。そのときはマクラーレンのゲルハルト・ベルガーの担当エンジニアだった。2008年に終了となった第3期はF1エンジンの開発責任者として最後を見守った。会社の意向に従うのはサラリーマンの宿命ではあるが、3度も悔しい思いをすることになるとは思いもしなかっただろう。

 ホンダから発表されたアイフェルGPのプレビューでは「プロジェクトを終えなければいけないということを本当に残念に思っています。両チームとここまで一緒に進化を続け、表彰台や勝利を獲得してこられたことを改めて誇りに思うとともに、両チーム、ドライバーと一緒にこの先に残された一戦一戦を今まで同様に全力を尽くして戦い、さらなる勝利をつかみ取りたいと考えています」とコメントした。

 F1が撤退、復帰を繰り返すのに対し、対極にあるオートバイのロードレース世界選手権(モトGP)のプロジェクトは安泰だ。1960年代後半から10年近い中断期間はあったものの、最高峰クラスに復帰した1979年からは、活動履歴に穴が空いたことがない。日本ではバイク離れが進み、オートバイレースの方がマイナーな印象があるだけに不思議なことではある。





 ただ、数字でみるとその構図もうなずける。昨年度の市販車の世界販売実績は二輪が約1928万台に対し、四輪は約485万台。実は圧倒的に二輪が多いのだ。もちろん、1台の平均単価は二輪が低く、売上収益は四輪事業が5倍近くもあるものの、営業利益では二輪が634億円の黒字に対し、四輪は逆に756億円の赤字。新型コロナウイルス感染拡大の影響でさらなる販売不振は確実といわれ、四輪事業が足を引っ張りかねない情勢にある。

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