断トツ最下位から2位に躍進、CS敗退の要因 ヤクルト退団コーチが語る1
「青木はゲームで躍動してこその精神的支柱」
――野手に関してはどうですか?
野口:青木が出られなかったことが痛かったですね。10月頭に肉離れで戦線離脱して、思ったよりも重傷で。そんな状態でも青木は状況に応じて試合に出るつもりでいてくれたけど、さすがに使いたくても使えなかったですね。
――青木選手が頭部死球による脳震とうの特別処置で抹消されて8連敗ということもありました。
野口:やっぱり青木の力というのは、見える部分、見えない部分があるんですよ。精神的支柱だけど、ベンチにいればいいって話ではない。CS(クライマックスシリーズ)の時みたいに。彼が元気で試合に出ていることがみんなに対する精神安定剤。青木に回せばなんとかしてくれる、青木から始まればなんとかなるという、ゲームの中で支えというか起点になってくれる存在なんですよね。やっぱり青木が試合に出て、躍動しているということが一番。ただ、CSで青木は試合に出れなかったですけど、ベンチで一番声を出していたのは青木でしたね。
――CSでは残念な結果に終わりましたが、今シーズン青木選手が加入したことがリーグ2位の躍進に繋がったということでしょうか?
野口:個人的には野手のMVPはダントツで青木ですね。数字の面でも残してくれているし、やはり精神的支柱という部分は大きい。ココ(バレンティン)が今年あれだけ頑張れたのも、青木のおかげというところがある。青木がココに引っ付いて色々と言ってくれたり、ケアしてくれた。ただ、ココは頑張ったけど、もっとできる。あの程度の数字の選手じゃなくてもっとできる、それだけの能力を持っている。
――他チームの戦い振りも見て、CSで勝ち続けるポイントはどこだと思いますか?
野口:短期決戦なので、我慢してピッチャーを引っ張る必要がないし、むしろやっちゃいけない。選手の駒の数と質が大事になってくる。悪かったらすぐに代えられる状態が理想ですね。ヤクルトも先発要員のカラシティーと星をリリーフで待機していたんですが、投打が噛み合わず力及ばずでした。敗戦処理とかはいらないし、とにかく総力戦ですよね。あれだけの強力打線のライオンズに勝って日本シリーズに2年連続で出場するソフトバンクは、武田投手とか一流のピッチャーを中継ぎでガシガシと使える。初戦の先発で使いたいくらいのいいピッチャーを、ああやって使えるというのはそれだけ駒が多いということ。そういうチームはやっぱり強いですよ。誰かがケガをしても代わりにいい選手が出てくるというのも、それだけチームに力があるということ。プロ野球に入ってくるという時点で選手個々の能力はある程度高いので、どれだけより力のある選手に育てて、成長していけるかということが大事だと思います。
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