「ヤクルトMVPは井野卓」前コーチが語る控え捕手の大切さ

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「正捕手・中村を脅かすくらいの存在になって欲しい」

 井野選手とコンビを組み始めた原樹理選手は、以降のレギュラーシーズンを5勝1敗(シーズン6勝7敗)でローテションの主軸に。他にも、高卒3年目の高橋奎二投手をプロ初勝利へ導いたり、中村選手に次ぐ第二捕手として実績と信頼を重ねていった。

「正捕手の中村は間違いなくいいキャッチャー。キャプテンでキャッチャーという大変な仕事をしてもらっていると思っている。中村は性格的にも責任感が強い。だからこそ、打たれたくない、抑えたい。負けたくない、勝ちたいという気持ちが強すぎてから回ってしまうこともあると思う。ただ、中村の地肩の強さは球界でもトップクラス。ソフトバンクの甲斐、巨人の小林の次くらいじゃないかなと思う。スローイング技術はまだまだ伸びる余地があると思うから、さらなる成長に期待していますよ。そしてなんと言っても彼は体が強く、怪我に強い。それって一軍のキャッチャーにとってはとても大事な要素であって。例えば、これから先さらに成長していって古田さんみたいなキャッチャーになった時に、それだけの能力があるのに怪我が多くて試合に出られないとなったらチームにとっては大ダメージ。それが、彼はよっぽどのことがないと休むって言わない。体が痛いところなんてあるはずだけど、絶対に休みませんって言う、そういうタイプ。それはチームにとって必要な要素で、とてもありがたい。」

チームはシーズン途中から中村選手を休ませつつ、井野選手と併用することに。時を同じくして、打線や投手陣の整備も進み、最下位からリーグ2位にまで順位を上げていった。井野選手はプロ13年目にして一軍47試合に出場し、キャリアハイを記録した。

「井野の出場機会はまだまだ多くないけど、たまに出て行った時に自分を表現できる。はっきり言って、バッティングはピッチャーの方が打つってくらいのウイークポイントだけど(笑)。地肩が強い選手ではないけど、スローイングさえなんとかなれば、レギュラーとれるくらいまでなるかもしれない。今シーズン始まってから井野に『スローイングの特訓を若手並みにやるかもしれないけど、我慢してついてきてくれるか』と聞いたら『やります』と言ってくれて。そしたら、9月くらいに広島戦で、野間と田中広輔の盗塁を2つ刺してくれた。やっと成果が出てきた、やっと身に付いたなって嬉しかったね。あの盗塁を刺してから盗塁の企画数がグッと減った。成果として現れ出したのが終盤だったので、阻止率とかの数字的には上がらなかったけど、これからもっと伸びていくはず。35歳、地肩は今更そんなに強くならないけど、スローイングの技術的なことは鍛えることができるから。ヤクルトは毎年補強できるようなチームではないので、現有戦力の底上げというのが大事になってくるチームですしね。なので、俺の中でのMVPは井野にあげたい。大事なところで締めてくれた存在なので。」

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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