F1参戦4年目で初優勝を果たしたピエール・ガスリー 日本人ファンが肩入れしたくなる理由とは
F1第8戦イタリアGPの決勝が6日、モンツァサーキットで行われ、ホンダのパワーユニットを駆るアルファタウリのピエール・ガスリー(24)=フランス=が参戦4年目でうれしい初優勝を果たした。
優勝を喜ぶアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー(ホンダ提供)
日本のモータースポーツファンにとっては最も親近感のある現役F1ドライバーかもしれない。2016年にF1に併催されるGP2(現F2)でタイトルに輝いたものの、F1シートを獲得できず、翌17年は日本のスーパーフォーミュラにチーム無限から参戦した経歴があるからだ。
ちなみに今季のF1ドライバー全20人の中で、日本のシリーズに出場経験のあるのはガスリーのみ。レッドブルではマックス・フェルスタッペンが絶対的エースとして君臨しているが、日本のシリーズ出身という肩書があるだけに、日本人の性(さが)としてどことなく肩入れしたくなる。
日本のシリーズからF1に羽ばたいた外国人選手は多い。あの王者7度のミハエル・シューマッハーも全日本F3000にスポット参戦したことがあり、弟ラルフはF・ニッポンでチャンピオンとなった。シューマッハーと同世代でもあるエディ・アーバイン、ハインツ―ハラルド・フレンツェン、ミカ・サロらも日本のトップフォーミュラ経験者。元F1王者のジャック・ビルヌーブやF1の後に米インディカーに転じたマーカス・エリクソンは全日本F3の出身だ。
それに日本には古くから「判官びいき」という言葉がある。広辞苑によると「源義経を薄命な英雄として愛惜し同情すること。転じて、弱者に対する第三者の同情やひいき」。義経とはわざわざ説明することもないが、平家を滅亡に追い込む活躍をしながら、兄でもある鎌倉幕府初代将軍の源頼朝に最後は討伐されてしまった非運の武将のことだ。