矢野阪神「このままでは優勝できない」といわれる「3つのポイント」とは
負けるべくして負けた。阪神は7日のCSファーストステージ第2戦の巨人戦(甲子園)に2―4と敗れ、0勝2敗でCS敗退。勝負どころでのミスが響き、今シーズンが終了した。
拙守が響いた
本拠地甲子園で屈辱の連敗。戦前は相手4番の岡本和を欠く巨人打線相手に阪神優位の見方もあったが、フタを開けてみれば、長年のチームの課題である拙守が足を引っ張った。2回に佐藤輝などのタイムリーで2点を先制した直後の3回表。先頭打者、吉川の遊撃へのゴロを中野がファンブル。味方が先制した直後のミスと悪い流れをひきずり、この回3失点と逆転を招いた。
その後、8回表にも先頭坂本の三塁線のゴロを大山が逆シングルでファンブル。この回、巨人はその後の4番・丸がきっちりセーフティバントを決め、追加点をあげた。レギュラーシーズンでは4年連続12球団最多失策となる86個を記録。課題が課題のまま放置されている現状では、勝てるわけもなかった。この点について球界内からも厳しい声が上がった。
「一戦必勝、特にポストシーズンでは一つのミスが命取りとなる。阪神の拙守は長年言われている課題であり、特に阪神投手陣はこの日先発した青柳などゴロを打たせて取るピッチャーが多いとあって、なおさら守備力を上げないと勝負にならない」(球界関係者)
4番とエースの不在
さらにチーム課題としては「4番とエースの不在」も浮き彫りとなった。和製大砲と期待された大山、前半戦だけで20本塁打をマーク、1試合3発など規格外の破壊力でチームを牽引したルーキーの佐藤輝、ともにCSファーストステージの初戦スタメンは外された。
これには「大山に関してはたとえ打てなくても4番を年間通して任せるぐらいの覚悟が矢野監督に求められる。他球団を見ても巨人・岡本、ヤクルト・村上など主砲に成長している選手は苦しい時間を経験して乗り越えることで、4番の責任感が生まれている。打てないから外すでは、いつまでたっても4番は育たない」(同)と指揮官に覚悟を求める声だ。
同じく投手陣に関しても今季13勝を挙げ、最多勝利に輝いた青柳は次世代エースとして期待されるが、今後も安定して成績を残せるかが注目される。常勝軍団には欠かせない「4番とエース」育成が果たせなければ、目指す優勝には手が届かない。