トヨタの豊田章男社長がレース中止に不公平感「五輪で許されても、4輪、2輪はなぜ?」

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世界ラリー選手権に参戦するトヨタのヤリスWRC(トヨタ自動車提供)


 この夏には東京五輪・パラリンピックが開催され、海外から大量の選手や関係者が流入したが、一定期間の隔離を条件に入国することができた。その後にはサッカーのワールドカップ(W杯)アジア最終予選が始まり、9月2日には大阪・吹田市で日本―オマーン戦が何の問題もなく開催された。

 同7日にサッカー日本代表はカタールに移動してアジア最終予選の中国戦を行ったが、中には帰国してJリーグの試合に臨む必要がある選手もいた。海外からの帰国者は原則的に2週間の自主隔離が求められるのだが、Jリーグの発表によると、カタールから帰国したサッカー日本代表選手に関しては「入国後3日目より新型コロナウイルス感染症の検査で陰性が確認された場合に試合出場可能」との規定が日本政府によって設けられたという。

 W杯の主催は国際サッカー連盟(FIFA)だが、F1を主催する国際自動車連盟(FIA)、モトGPなど主催する国際モーターサイクリズム連盟(FIM)も同列の国際スポーツ団体。仏ルマン24時間レースなど世界耐久選手権に参戦した中嶋一貴、小林可夢偉らは2週間の自主隔離の方針に則り、隔離期間と重なる国内レースについては出場できなかった。この違いは何なのか、疑問が残るし、不信感も募る。

 この会見についてはトヨタ自動車自体も動画映像を同社の公式ツイッターで伝えたほか、「世界3大レースで日本車が優勝した年… なのにF1•WRC•MotoGP•鈴鹿8耐が日本ではできない… この状況をどう感じているか? 鈴鹿で行われた記者会見で、そんな質問があり 社長の豊田は答えました」と文字にしたためて、臆することなく問題提起した。

 SNSなどでもネットユーザーから「五輪だけじゃない。なぜサッカーW杯の地区予選が可能で、世界大会の本戦であるF1が開催できないのか」「大事な産業のひとつなのに理解されない自動車・バイク。ただ悔しい」との意見も聞かれた。

 与党の自民党にも「モータースポーツ振興議員連盟」があるはずだが、政府や関係省庁に何らかの働き掛けはしていたのだろうか。モータースポーツに打ち込む選手もまごうことないアスリートの1人。スポーツの世界でも『職業差別』はあってはならない。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)







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