10カ月の闘病生活を経て退院した競泳・池江璃花子「一番しんどい時は、死にたいって思いました。」
『あなたも元気になれるよ』ということを伝えたい
昨年2月、病気の告知を受けた。「病院で先生に『白血病です』って言われました。名前は聞いたことあったけど、どういう病気か知らなくて『抗がん剤治療をやります』『髪の毛がすべて抜けます』って言われて、そこで大泣きして。でも部屋に戻ったら、意外と元気になってたというか、病気になったらなったで頑張るしかないなってすぐ切り替えました」。
東京五輪には競泳女子エースとしてメダル確実と言われていたことにも触れ「自分ではわからなかったけど、どこかにプレッシャーがあって、もうオリンピックについて考えなくてもいいんだって気持ちになった。その時に初めて『意外とプレッシャーを感じてたんだな』ってわかりました。『五輪』『金メダル』っていう言葉から解放されて、ホッとして、ポジティブに切り替わったのかもしれないです」。
24年パリ五輪に向け、トレーニングを再開した。「やっぱり筋肉は落ちていて、できない自分がある意味、面白い。ここからどれくらいのスピードで自分が成長していくのか楽しみ。筋肉もりもりだったので、入院して体が細くなって、入る服がたくさん増えてうれしいっていう気持ちが勝っちゃいました」と10代の女の子らしい一面も。続けて「パリ五輪に出られなかったとしても次があると思っています。次は28歳なので、パリが24歳。自信があるわけじゃないけど、目標って絶対に必要だし、水泳だけじゃなくて人生においても。いつか試合に出たら、何秒ぐらいで泳ぎたいとか考えるんです。泳ぐ姿も夢に見ます。タイムも聞こえるんです。毎回、意外と(タイムが)速くてびっくりしました。夢ですけどね」と笑った。
白血病と向き合い、約10カ月の入院、闘病生活を経て退院した。「ここにいることが奇跡だし、生きていることが奇跡。気持ちがそういう風に変わりました。水泳をすることが当たり前になってたけど、まったく違って。病気になってよかったとは1ミリも思わないんですけど、病気になって学んだことが多いから、自分が今どういう立場でどういう気持ちで生きていくべきなのかを考えさせられたので、自分の人生にとっては大きなターニングポイント。そういう病気の方たちにとっても、絶対希望を持って治療に励んでほしいし、ここまで元気になれた人間がいるんだから、『あなたも元気になれるよ』ということを伝えたいなって思っています」。
同じ病気に苦しむ人だけでなく、多くの人々に「自分も頑張ろう」と思わせる、池江からのメッセージだった。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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