失格、戦犯、メイク批判・・・「五輪の魔物」は高梨沙羅にどれだけ試練を与えるのか
日本の横川朝治ヘッドコーチは、試合後に経緯を説明した。「スーツの太ももの場所が(規定より)2センチ大きかった。個人戦と同じスーツだった。選手は僕らの用意したスーツを着てそのまま飛ぶ。スタッフのミス」と高梨をかばった。スーツが大きいと浮力を得られるため、厳しい規定がある。通常、試合前にスタッフが選手の体を計測してスーツを決めるが、同コーチは「世界中が(規定の)ぎりぎりを狙っているのは事実。そうしないと勝てない。標高の高さや寒さも影響した」。ノルウエーにも違反が出て、優勝候補4チームに失格者が出るという大波乱の団体戦となった。
高梨には、心ない言葉が浴びせられてきた。個人戦でメダルを逃し、SNSで「メイク批判」がトレンドワードに。「メイクしている暇があれば練習しろ」。ノーメイクだった中高生時代から活躍してテレビに出る機会が多いだけに、メイクして試合に臨む現在の姿への違和感を指摘する声は後を絶たない。注目度が高い五輪で、話題がさらにクローズアップされた形だ。
W杯通算最多61勝の大エースも、五輪で力を発揮できないジンクスと戦ってきた。ギリギリの精神状態になるまで自らを追い込み、4年に1度しかない大舞台でまたも結果を出せず、団体戦では足を引っ張った。追い打ちをかけるようなメイク批判騒動。「五輪には魔物がいる」とよくいわれるが、試練続きの高梨の心はもうボロボロだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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