ついに越えた白河の関、東北野球のレベル向上が有名フレーズを真逆の意味へと変える?!

タグ: , , 2022/8/23

 もっとも2000年以降は、いつでも優勝が手の届くところにあったとも言える。中心選手として引っ張った各選手が、その後はプロ野球や、海を飛び越えてメジャーリーグでも活躍していることからも明らかだ。

 特に近年は東北、中でも岩手出身選手の躍進がめざましい。菊池に続いて、花巻東からは大谷翔平。県内の大船渡出身の佐々木朗希(ロッテ)は、今年は160km台の異次元の直球を連発してパーフェクトゲームを達成した。怪物を生む土壌として、東北の地はベースボールの本場・米国からも注目を集めている。来日する米国のベースボールライターの多くは、東北に足を運ぶことを取材の理由としている。

 ここに名前を挙げていなくても、現在プロ野球の一線級で活躍する東北出身者は数多い。かつてはレベルの低さを指摘する声もあり、冬場は雪が積もり恵まれない練習環境がその理由に挙げられてきた。東北の野球人たちはそんな不利な状況を、知恵とアイデアを絞って乗り越えてきた。逆に豊かな自然の下で、大きなポテンシャルを持った大器を生む土壌へと昇華させていった。

 多くの野球ファンは、東北の野球を語る上で「今年も大旗は白河の関を越えず」というフレーズを耳にし、口にしてきた。だが、仙台育英に続く東北勢の第2、第3の優勝は時間の問題だろう。今大会も準決勝まで福島代表・聖光学院が残り、仙台育英と東北勢対決を演じた。今は盛んに繰り返される「白河の関越え」。それが死語となる日は近い。いや、逆に「今年も白河の関越え」というフレーズに、真逆に意味を変えるかもしれない。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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