日米通算198勝、勝負の8月に再合流の田中将大は春先と何が違った?元近鉄OB、佐野慈紀氏の考察「しっかり上から叩けていた」
ただ、復帰1戦目のヤクルト戦に関しては改善点もあったとする。
「慎重になりすぎじゃないかなと。えらい窮屈なピッチングしてましたね。ただそれだけプレッシャーがかかっていたということ。次が見たくなるような内容でしたね」と語る。
その上で、現在の田中のピッチングスタイルについては「今のマー君というのは”決め球”というものはない。ボールのキレ、コントロールの総合力で勝負する投球スタイル。コマンド(状況に応じて狙ったところに投げる能力)で勝負する。メジャーの最後の方もそういうスタイルでした」としながら、"良いときの田中"の特徴も見えたとした。
「もともとインコースを使うのはうまい投手なので、そこに投げられているのは良かった」と話した。
実際に佐野氏は春先に田中の投球を分析した時には「まだ80パーセントぐらいちゃうかなあ…ああいう試合を作れる投手は重宝されるんだけど、しっかり状態を上げてから一軍に戻ってきてもらいたい」と話していただけに、今回はしっかり力を蓄えて上がってきたことも評価。
日米通算200勝を目指す右腕に「メリハリも効いてくる。まだまだ勝てますよ!」とエールを送ることも忘れなかった。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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