藤浪晋太郎の“速球”はなぜ打たれるのか?「最も謎に包まれたピッチャー」が抱える課題
苦しいマウンドが続いている藤浪。彼がメジャーで悩む原因となっているものとは何なのか?(C)Getty Images
勝負のメジャー1年目は苦しい日々が続いている。今季からアスレティックスに入団した藤浪晋太郎だ。
阪神から「頑張ってこい」(嶌村聡球団本部長談)と送り出され、ポスティングで海を渡った29歳。だが、何よりも結果が求められる1年契約で迎えたシーズンは前途多難だ。開幕からの4登板で24失点(防御率14.40)、WHIP2.07と精彩を欠いて先発から中継ぎに配置転換されると、その後も不安定な投球が続き、現地6月7日時点で防御率11.57、FIP(被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標)6.01と、首脳陣の期待を裏切る形となっている。
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もっとも、投げているボールのスピードは日本時代よりも凄みを増している。
現地6月5日に行なわれたパイレーツ戦では最速102.1マイル(約164.3キロ)を記録するなど、4シームの平均球速は97.4マイル(約156.7キロ)。多士済々のメジャーにおいて全体の上位8%となる24番目の速さだ。ちなみに大谷翔平よりも0.1マイルだけ上回っている。
しかし、打球初速95マイル(約153キロ)以上の「ハードヒット率」は下位4%と最低水準にある。ではなぜ、日本人ではトップクラスの速さを持っているにもかかわらず、藤浪の速球は打たれてしまう、あるいは見切られてしまうのか。