大谷翔平は「復活できる」 ドジャース入りを推す米識者が語ったFAでの価値「25年になったら再評価すればいい」
右肘側副靭帯の損傷という大怪我を負った大谷。しかし、彼の持つ価値は米球界において不変だ。(C)Getty Images
今後のキャリアを大きく左右するFA(フリーエージェント)を目前にしていたなかでのアクシデントだった。現地8月23日に大谷翔平(エンゼルス)は、右肘側副靭帯の損傷が判明。今季は一切の投球を行わないと決定した。
メジャー6年目を迎えた大谷は、投手としても磨きがかかっていた。23先発で132イニングを投げ、2年連続となる2桁勝利(10勝)をマーク。奪三振率11.39、被打率184、WHIP1.06といずれもエース級のスタッツだ。さらに打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して、選手の貢献度を表す指標bWARも投手だけで4.0を叩き出し、球界でもトップクラスの実力を発揮した。
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サイ・ヤング賞の可能性もゼロではなかった。それほど成長をしていた。しかし、文字通り最悪のタイミングで怪我は起きてしまった。仮にシーズンオフに5年ぶり2度目のトミー・ジョン手術をするとなれば、18か月は本格的な投球再開は不可能となる。
そのため、巷ではFAでの契約に大きな影響を及ぼすと囁かれ続けている。もっとも、大谷は打者としてアメリカン・リーグで断トツトップの44本塁打を放ち、打撃三冠王も狙えるハイスタッツをマークしている。ゆえに「打者・大谷」だけを評価しても十分に5億ドル(約730億円)の価値があるという声は強い。しかし、「二刀流」に価値を求める人が少なくないのも事実なのである。
そうした状況下で「打者だけでも契約に大きなダメージはない」を断言したのは、米ポッドキャスト番組『Dodgers Nation』でホストを務めるダグ・マクカイン氏だ。
現地8月26日に更新された番組内で、「オオタニは圧倒的な投手だ。それに疑いの余地はない」と主張した同氏は、「だが、彼は攻撃面でも傑出している。依然として彼はメジャートップクラスだ」と打者・大谷を絶賛した。
「彼はメジャー史上最高の打者ではないかもしれないが、今のメジャーリーグでは最も危険な打者だ。投手として投げられなくてもその事実は変わらない。これこそ私が何よりも強調したいポイントだ」
さらに「数字的に見れば、彼はトップ5に入る投手であり、打者では1、2を争うクラスにいる。それほどショウヘイ・オオタニは優秀なんだ」と語ったマクカイン氏は、「では、今回の出来事が彼の潜在的な契約にどのような影響をもたらすか」と続け、最低でも25年までは投げられない可能性がある大谷のポテンシャルをあらためて絶賛した。
「彼は大金(契約金)を手にする理由の一つを失うことになる。2人(投打の二刀流)のエリート選手に少なくとも1年間は給料を支払う意味がないからだ。しかし、私は最低でも4億ドルの契約を手にできると確信している。
私は最高の打者を手に入れる意味を理解するチームがいると思っているんだ。契約をしたチームは、40本以上の本塁打と打率3割を打ち、打力で相手にダメージを与えられる選手を手に入れられるんだ」