巨人・井納 移籍後初勝利!思わず漏らした「屈辱の日々」とは
FA右腕、巨人・井納翔一投手(36)が苦労の末に、ようやく移籍後初勝利をつかんだ。
6日のヤクルト戦(神宮)、3番手として2ー2の同点の7回に登板すると、先頭の奥村を二ゴロ、続く坂口を二飛と打ち取る。二死走者なしで迎えた中村には内野安打を許すも、二死一塁で迎えた塩見をフォークで空振り三振に打ち取り、ガッツポーズ。1回無失点で移籍後初勝利を飾った。
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ようやくお立ち台に上がったが、率直な心情を漏らす場面もあった。
「去年来てからまったく仕事をしていない。ファンの人からもすごいことを言われたりもしたがやっと今日勝てた」
DeNAから移籍1年目の昨季は5試合に登板し、0勝1敗、防御率14・40。結果を残せず、苦しんだ。「ケチのつけ始め」は開幕前の出来事にもあった。3月中旬にジャイアンツ球場で行われた練習中にスキップをして出入口の扉に激突。頭部裂傷で数針縫うという前代未聞の出来事を起こしていた。これには指揮官の原監督も「(ケガの原因は)恥ずかしくていえない」と困惑の表情を隠せなかった。
さらに自身の開幕戦となった3月31日の中日戦(バンテリン)では2回途中4失点の自己最短KOで即二軍落ち。その後、5月19日の広島戦(東京ドーム)を最後に、2軍暮らしを続けてきた。
迎えた今季も6月22日のDeNA戦(東京ドーム)では、暴投を含む4球連続ボールの四球で即降板、再び二軍行きと「何のために獲ったんだ」ムードは続いたが、そこにコロナ禍が発生した。感染者がチーム内に続出した影響で後半戦から1軍の座をつかむと、8月4日の阪神戦(東京ドーム)で1回無失点と結果を残し、この日の好投でDeNA時代の20年9月18日巨人戦(横浜)以来、2年ぶりの勝利を手にした。
原監督もこの日の井納の好投には「続けてくれるとね。彼への期待はかなり大きなものであるわけだから。こんなことで満足してほしくない」とさらなる高みを求めた。