巨人戸郷翔征 ノーヒットノーランの裏にあった「指揮官のゲキ」と「女房役の献身」

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 巨人投手の甲子園でのノ―ヒットノーラン達成は1936年の沢村栄治以来と伝統の一戦に華を添える記録ともなった。

 123球の熱投の裏には指揮官、阿部慎之助監督からの教えも生きた。5月3日に本拠地で行われた阪神戦。当日は球団創設90周年特別記念試合、「長嶋茂雄DAY」という節目もあり、チームは3回までに6得点と猛攻、しかし先発の戸郷はこの試合、6回途中で降板となっている。

 6回は二死まで追い込むも2番の中野拓夢に1号ソロを許し、続く3番の森下翔太、4番の大山悠輔に連続四球を与えると、二死一、二塁の場面で代打で出た糸原健斗に右二塁適時打で1点を失う。

 この交代の判断に関して、阿部監督は試合後に「大差があって四球。打たれていいケースだと思うんですけど、ちょっとだらしなかったので替えました」と語っている。

 開幕戦を託すほど力を認める新エースとあって、さらなる成長を願った。今季は指揮官自らベンチで語りかけるシーンもあるなど、戸郷のさらなる飛躍こそ、V奪回の鍵を握ると見ている。実際にこの試合では、9回を投げわずか1四球とリズム良く投げたことも好投につながった。

 そしてこの試合で光ったのは、マスクをかぶった岸田のリードにもあった。ファーストストライクをしっかり奪い、投手有利なカウントで試合を組み立てた。1-0で迎えた9回。先頭の木浪聖也に四球を与え、続く小幡竜平が犠打を決め、一死二塁の形を作られる。

 迎えたバッターは好打者、近本光司。アベレージバッターでありながら、一発もある。打ち気にはやる近本を初球のフォークで空振りにとると、続く内角の要求には逆球となったが、最後は再びフォークで一直に仕留めた。続く中野にもフォークを有効的に使い、最後もフォークで空振り三振を奪った。緩急をつけたリードで偉業達成を後押しした。

 見守った阿部監督をして「泣きそうになった」と言わしめた魂の123球。戸郷が一つ大きな階段を上がった。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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