「隔年投手」返上へ、今永昇太が海を渡るために必要な2年連続2桁勝利
一方で長く指摘されているのが「隔年投手」とも言われる燃え尽き型の投球スタイルだ。直球が最大の武器であり、渾身のストレートを投げ込むことが信条。それゆえに投球後のダメージも大きく、故障に苦しみ続けてきたイメージが強い。
駒大時代にも3年時に無双の輝きを放ち「大学球界ナンバーワン左腕」の評価を得ながらも、4年時は左肩痛に苦しんだ。DeNAに1位指名されて入団したが、プロ球団の評価はチームによって大きく分かれていた。素材はピカイチだが、1メートル78センチと身長もさほど大きくないこともあり、プロで長く活躍できるタフネスさ、肩の状態などには疑問符が付けられていた。
実際にDeNA入団後も、3年目の2018年は左肩痛を発症し、4勝11敗と大きく負け越した。翌2019年には13勝7敗と復活をみせ、11月のプレミア12でも侍ジャパンの世界一に大きく貢献した。だが、翌2020年には再び左肩痛で5勝止まり。オフには左肩のクリーニング手術を受けることとなった。
これまでNPB通算64勝を挙げてきたが、実は2年連続で2桁勝利を挙げたことがない。プロ入り前に懸念されたことが、少なからずキャリアの数字にも出てしまっている。メジャー移籍となれば、最低でも3年以上の複数年契約が前提条件だろう。その間に長期離脱することなく、高いパフォーマンスを発揮し続けられるという信頼を得なければ、大型契約は望めない。
昨季は11勝4敗、防御率2・26というハイパフォーマンスで、チームを2位躍進に導いた。3月のWBCで侍ジャパンの世界一に貢献した今季は、その疲労を考慮されて初登板が4月21日と出遅れた影響もあり、前記したようにここまで7勝となっている。自身初の2年連続2桁勝利。ファンにも支持されて、大手を振って海を渡るためには、残り3勝のそこは必要最低限のラインとなるだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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