“2番打者最強説”を数字で証明!? 大谷翔平らの活躍で生まれた常識の変化「長らく犠打のために無駄にされてきた」
トラウトのパワフルな打撃が活きたことで、「最高の打者をなるべくたくさん打席に立たせよう」という考え方が浸透。今では大谷翔平(エンゼルス)やアーロン・ジャッジ(ヤンキース)、フレディ・フリーマン(ドジャース)といったMLB屈指の長距離ヒッターが並んでいる。
効率性の向上はデータが如実に物語っている。2013年時点で2番のOPSは平均より10%も増加。さらに21年に至っては平均より14%も高まり、3番(15%)、4番(10%)とのギャップが明らかに縮まっているのだ。
そうしたなかで、今シーズンは2番打者のOPSが史上初めて3番打者のそれを超えた。これは「2番打者最強説」が広まり、各球団の監督をはじめとする首脳陣がチーム強化プランを変化させていった証と言えるのではないか。
今回のデータをまとめたMLB公式サイトのマイク・ペトリエッロ記者は「長らく犠打のために無駄にされてきた打順に、最高の打者を配置することは、もはや本や思考実験の領域にない。新たな常識なのだ」と強調。そして、次のようにも記している。
「いまや、ベーブ・ルースの時代のような打順の組み方ではなくなった。当時は『俊足のバッターを1番、バットコントロールのいい選手を2番、そしてチームで最高の打者を3番と4番に置く』というのが常だった。しかし、今はそんな時代ではなくなった。
ここ10年のトレンドは、最高の打者にできるだけ多く、打席に立たせることが当たり前になった。つまり、優れたヒッターの前にそれ以下のヒッターを置かないことが常識になったのである。偉大な打者は2番か、もしくは1番を打つということだ」
ちなみに今シーズンの大谷は上位打線で確かな結果を残している。1番で出場した5試合のOPSは1.378で、2番での71試合では同1.207といずれもハイアベレージだ。やはり打席数を多く与えられることで、見事に機能していると言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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