【ヤクルト】「3番」打者は誰が適任か? チームの歴史を支えてきた若松、稲葉、岩村ら“左打者のルーツ”に続く選手の「名前」
では、チャンスメイクや走者を還す役割など万能タイプの「3番」には誰が適任だろうか。連敗中で苦しい状況の中、今季5試合目の「3番」を任された長岡の活躍は、スワローズの未来に希望の光を照らした。
過去を振り返ると、球団初のリーグ優勝を達成した1978年には「ミスター・スワローズ」の若松勉が3番を担っていた。日本人プレーヤーではその若松を始め、稲葉篤紀や岩村明憲、現在も代打の切り札として活躍している川端慎吾、青木宣親らが3番を務め、チーム55年の歴史を支えてきた。
長岡もそんな左打者の先人たちのように、3番打者としてスワローズの歴史に名を残すことができるだろうか。昨季は主に下位打線の8番を任されていたが、今季は課題だった打撃が向上。守備面では遊撃手として安定した守りを見せているだけに、攻守でチームを引っ張る存在になりつつある。
髙津臣吾監督は「今日の3本に関しては非常に内容のあるいいバッティングだったと思います。打球方向にしろ、すごくいいバッティングに見えました」と、3安打猛打賞の打撃を称え、「これを続けていくことがすごく難しいんだと思いますけど、打線が低調気味の中で若い選手が元気を出して頑張ってくれるのは頼もしいというか、明日も期待しています」と、打線に活力を与える役割を期待していた。
キャプテンの山田哲人が長く務めてきた「3番」に、22歳の若武者が定着するかどうか。その山田は2回の第1打席で中越えの二塁打を放って通算1500安打を達成した。
山田は節目の安打について「意識はしてなかったんですけど、こうやって打ってみると嬉しい」と素直に喜びを表し、ファンに向けて「今年だけじゃなくて、毎年最後までいつも全力で応援してもらっていますし、そういう人たちのおかげで僕たちがあるんだなと常々思っている」と、感謝の思いも口にした。
チームはリーグ最下位に低迷している。ファンにひとつでも多く勝利を届けるためにも、現状を打破する大きな力が必要だ。長岡がさらにチームの顔として成長していくために、今季は1年を通した活躍を大いに期待したい。
[文:別府勉]
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