元SB攝津正氏が語る先発投手のメンタル面「勝ちが最高のご褒美であり精神安定剤」
沢村賞をはじめ、最優秀投手、最優秀中継ぎ投手など数多くのタイトルを獲得し、5年連続の開幕投手を務めた経験もある、元福岡ソフトバンクホークスの攝津正氏。
その攝津氏が現役時代におこなっていた試合前ルーティン、さらには調子の良し悪しに関わらず週1回訪れる先発投手としてのメンタル面について振り返った。
1週間でどのように気持ちを切り替えるか
2009年にプロ入り後、2018年の現役引退まで10年間投手として活躍し続けた攝津氏。その中で毎試合マウンドに上がる際に、自身の中でこんなルーティンがあったという。
「マウンドでジャンプをすることですかね。そういう風に動きを入れる方が、何かおかしい時にバランスが整えられるんですよね。おかしいなと思ったら少しジャンプをしてリセットをするというか、ちゃんとした位置に戻すことで、もう一度(スイッチを)入れ直すといった感じです」
一投手として勝負する以上、勝つ時もあれば、負ける時もあるが、攝津氏自身は現役時代、1週間に一度訪れる先発登板の中で、調子の悪い時期をどう捉えていたのだろうか。
「調子があまりよくない時期には海を観に行ったり、何かリラックスする方法を考えていました。
特に先発の時は、負けてから次の登板までの1週間、モヤモヤが続くこともありましたね。1点で抑えても負ける時はある。その時にずーっと『勝ち』というものが付かないと、モヤモヤするものです。勝ち負けは後からつくものだとは思いますが、先発ピッチャーにとって『勝ち』がつくことは最高のご褒美というか、精神安定剤みたいなところはあると思います」