阪神のルーキー伊原陵人はなぜ快投続く? アマ時代から成功を確信した元虎戦士が見た“強み”「キャッチャー次第でいろんな投球ができる」

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いま、女房役を務める坂本。球界屈指の名手と伊原の関係性は良好だ。(C)産経新聞社

プロでの成功をいち早く確信していた人物とは?

 ここまで7先発で初回、2回の失点はいまだにゼロ。3回まで範囲を広げても1失点のみと、序盤の快発進でリズムに乗って快投につなげているのは明らかだ。その中でも伊原が「勝てる投球」を体現したのが、4度目の先発マウンドとなった5月11日の中日戦。ストライク先行の投球で初回をわずか10球で終えるなど、6回途中無失点の好投で、1-0の勝利に貢献した。

 前日から早いカウントから積極的にスイングしてくる中日打線の傾向をしっかりインプット。「どんどんファーストストライクから振ってきてるチーム。それは映像でも見た。初球から1球目、2球目で結果が出るというところをキャッチャーとも話していた」と事前のスカウティングを投球に落とし込んで的を絞らせなかった。

 さらに、その1週間前のプロ初黒星を喫した5月4日のヤクルト戦(甲子園)で課題だった高めにボールが浮いた部分も、この中日戦では見事に修正。中6日と限られた調整期間で軌道修正し、同じ失敗は繰り返さない先発投手の“鉄則”も心掛けていた投球に見えた。

 1年目ながら完成度の高さを随所に見せる伊原のプロでの成功をいち早く確信していた人物がいる。元阪神の内野手で、現在は社会人の三菱重工Westでプレーする北條史也だ。

 伊原が所属していたNTT西日本と練習試合なども含めて3度対戦。計10打席ほど直接対峙していた北條の印象に最も残っているのが、24年9月18日の社会人野球日本選手権の近畿地区最終予選でのマッチアップだ。

 この試合でタイムリーを含む3打数1安打の結果を残した北條だったが、「(伊原の)調子は悪かったと思います」とポツり。「真っすぐのキレが良くなかったように見えました。でも試合を壊さなかった。内外角に投げ分けられて打ち取られました。調子がいい時は誰でも抑えられると思うんですけど、調子が悪かった時に抑えられたのでいい投手だなと感じました」と独自の視点で分析した。

 その上で北條は悪いなりにも投球をまとめる「ゲームメイク力」、右打者のアウトコースに直球を投げ込める高い「原点能力」、そして「制球力」を伊原の強みに列挙。「キャッチャーのサインにもしっかり応えて投げ切っているイメージ。キャッチャー次第でいろんな投球ができるんだと思う」とプロでの活躍を見込んでいた。

 現在、阪神で主にバッテリーを組んでいるのは坂本。球界屈指と言われるフレーミングとインサイドワークに定評がある女房役との“化学反応”も今後、虎の背番号18をチェックしていく上で注目点の1つだろう。

 エースナンバーでもある背番号18を背負ったルーキーに藤川監督は「背番号ぐらい勝って欲しい」と将来像を描き、「新人王の権利があるのは今年だけ」と1年目からのタイトル奪取に期待を寄せている。首位を走るチームを支えるリーグ屈指の先発ローテーションの中でさらなる進化も遂げそうな伊原のプロ1年目は、まだ始まったばかりだ。

[取材・文:遠藤礼]

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