制球力が武器の日本ハム・加藤貴之に球界OBがあえて「四球指令」の意図とは
加藤貴は今季、開幕投手も務めた(C)CoCoKARAnext
日本ハムの加藤貴之投手は8月1日のロッテ戦(ZOZOマリン)で先発、約1ヶ月ぶりの勝利を狙う。
ここまで5勝7敗防御率2.61という成績を残している加藤だが、6月23日のロッテ戦で今季5勝目を挙げて以降勝ち星からは遠ざかっており、7月は3試合に登板し防御率3.00、3試合全てクオリティスタートを記録しながら0勝1敗と、勝ちなしで終わっている。
【関連記事】今オフの動向が注視される日本ハム・加藤貴之 ファンが注目する様々な「発言」と「不安材料」とは
今季は開幕投手を務めたほか、5月には4戦3勝防御率0.30と圧巻の成績を残し月間MVPを獲得するなどの活躍をみせている。
昨季はシーズン通して与四球率0.67をマークし、規定投球回をクリアしながら与えた四球数はわずか11と驚異的な数字を残したことも高い注目を集めた。特にファンに強い印象を残したのは昨年4月19日の楽天戦。わずか90球で無四球完封勝利をあげ、100球以内の完封を指す「マダックス」になぞらえ、新庄剛志監督からは「カドックス」と命名された。
抜群の制球力は、加藤の代名詞ともいえる。
そんな球界屈指とも言えるコントロールの良さと持ち前のテンポの良さを活かし、今やチームの軸としてローテーションの軸を担っているが、一方でその能力とは裏腹に、自身のシーズン勝利数をみると昨年マークした8勝が自己最多となっており、意外にも2桁勝利を達成したことがない。
白星を手にするには、もちろん打線との兼ね合いも大事にはなってくる。
一方、日本ハムOBで現在野球解説者を務める岩本勉氏は7月25日に行われた楽天・日本ハム戦(楽天モバイルパーク)のBS12で行われた副音声中継解説時に「加藤が勝ち星を重ねるなら、四球を出した方が良い」と、加藤の持ち味を逆手にとったアドバイスを送るシーンがあった。