珍事!日本シリーズMVPに甲斐 「打てない捕手」受賞は史上初
プロ野球日本シリーズは、ソフトバンクが広島を4勝1敗1分けで下し、2年連続日本一に輝いた。シリーズMVPに選ばれたのは甲斐拓也捕手。広島の機動力を完璧に封じ、6連続盗塁阻止のシリーズ新記録を樹立。打率.145ながら「甲斐キャノン」と呼ばれる鉄砲肩が評価され、捕手では09年の巨人阿部慎之助以来9年ぶりの受賞となった。
育成ドラフト入団選手では初の快挙。「ありがとうございます。ちょっと、びっくりしました。僕とは思えなかったので、本当にうれしく思います。ピッチャーの方がけん制やクイックを頑張ってくれた結果です」と感謝の言葉を並べた。
69回を数える日本シリーズで捕手のMVPは6度しかない。
◆1962年 種茂雅之(東映) 打率.357、0本塁打、7打点
【土橋正幸投手とW受賞】
◆1967年 森昌彦(巨人) 打率.227、1本塁打、4打点
◆1997年 古田敦也(ヤクルト)打率.316、1本塁打、3打点
◆2001年 古田敦也(ヤクルト)打率.500、1本塁打、3打点
◆2009年 阿部慎之助(巨人)打率.304、2本塁打、5打点
◆2018年 甲斐拓也 打率.143、0本塁打、0打点
森は打率こそ低いが、1発に決勝打も放つ勝負強さを見せた。2度受賞の古田を筆頭に、阿部、種茂は自らのバットで貢献するとともに、リードでも投手陣を引っ張った。ところが甲斐の打率は1割台で、打点すらない。打撃ではほぼ役立たず男のMVPが、いかにレアケースかがわかる。
リード面でもシリーズ序盤は大量失点するなど苦労しただけに、広島に傾く流れを切り続けた「甲斐キャノン」のインパクトは絶大だった。「史上初」となる打てない捕手のMVP。強肩という誰にもマネできない一芸を武器に、大舞台で主役になった。
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