「言葉が先行した」那須川天心が見せた“進化“と“甘さ” 神童に求めたいプロボクサーとしての成長
それは本人もわかっているはずだ。天心は先述の言葉よりも先に、「ダウンは取れて、進化した姿は見せられたんですけど……最後の最後はやっぱ上手くいかない。人生上手くいかないもんだなって」と吐露。そして、もどかしそうな表情を一瞬だけ浮かべ、目標を達成できなかった悔しさを言葉に滲ませていた。
無論、簡単な道ではない。しかし、それは天心自身が覚悟してきた進んだ道でもある。彼は昨年6月にK-1のカリスマである武尊との“世紀の一戦”を制したのちに、こう漏らしていた。
「生半可な気持ちで転向するというわけじゃない。自分でも期待しますし、ファンの方にもワクワクしてほしい。やるからにはチャンピオンになる。それは誰しもが思い描くものだと思う」
本人が「俺死んでもいいと思っていたから。本当に終わるんだと思った」と振り返る武尊戦後に口にした強い言葉に嘘はないはず。ここまで過酷な人生を突き進んできた天心なら、より高いレベルを目指せるに違いない。
ボクシング界における“世界”はまだまだ遠い。このグスマン戦はそう痛感させる一戦でもあった。ここからボクサー那須川天心がいかに成長するかは実に興味深いところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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