幾多の修羅場を乗り越えてきたロッテ・細川が大事にしている言葉とは?【千葉ロッテ選手が大切にDOする言葉】
1年目の春のキャンプにて3球で失格を言い渡された男は地道に努力を積み重ねた。人が見ていない努力を丹念に繰り返し、そのキャッチングは球界随一と言われるまでになった。今、ベテランが達しているのはミットで投手の気持ちを理解する域だ。だから今も人一倍、ボールを受ける、キャンプでは時間さえあればブルペンに向かい、ボールから投手の息吹を感じるようにしている。
「投手の気持ちをミットで感じる。正確に言うとミットをつけている左手の人差し指。そこで感じる感覚を大事にしている。試合の中で投手の球は1球1球、違う。メンタルが変わるから、投げている投手が一緒でも日によって、イニングによって、打者によっても違う。試合では、その違いを感じ取るようにする」
幾万のボールを受けてきた男は悟りの境地までたどり着いている。ミットにボールが収まるとその人差し指に全神経を集め投手の想いを感じとる。そして次のボールを決める。
「1球1球、感じながらリードをしている。色々な事を感じながらね」
背番号「55」はグラウンドに現れると安心感が漂う。幾多の修羅場を乗り越えてきた男が醸し出す雰囲気。そしてその左手で何百という投手の球を受けて研ぎ澄まされた感覚に若い投手たちは安心する。若手が多いマリーンズ捕手陣にあってその存在感は絶大だ。それでも基本は変わらない。「継続は力なり」。今も地道な作業と、事前の備えを行いグラウンドに立つ。
[文:千葉ロッテマリーンズ・広報 梶原紀章]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。