廣瀬俊朗 次なる世界最高峰のラグビーの大会「シックス・ネーションズ」のみどころを語る
■ラグビーの素晴らしさや価値を広めたワールドカップ
──ラグビーワールドカップ日本大会はどんな大会でしたか?
廣瀬:日本のみなさんにラグビーの素晴らしさや価値を十分体感していただけた、本当に素晴らしい大会でした。世界のラグビーファンも日本に来て人々のおもてなし、食事、会場の雰囲気などに喜んでいただけたのではないでしょうか。そして何よりも日本がベスト8に進出し、素晴らしい戦いを見せてくれたことも本当に良かったです。大会の成功の指標は「お客さんがどれだけ入るか」ということでしたが、十二分に達成できましたし、ラグビーをやりたいという子どもたちも増えたので、その点でも成功したという実感があります。ラグビー用語が流行語と化していることも、街ですれ違う方がラグビーの話をしていることも、むちゃくちゃ嬉しいですね(笑)
──今回の日本代表はどのあたりに強さが見られましたか?
廣瀬:2015年のワールドカップもそうでしたが、日本代表の規律の正しさ、運動量、みんなで連動性を高めるところは変わらず素晴らしいところでした。そこに主体性が加わり、試合中に少し良くない状況になっても選手が集まって修正して、状況を打破していったところは成長だと思っています。
──日本で急増したラグビーファンに、あらためてラグビーの魅力をお聞かせください。
廣瀬:今回、ラグビー選手が持っている「相手を大事にする精神」や「違いを受け入れること」、「試合が終わったら互いを称え合うこと」、といったところに価値を見出していただけたと思っています。4年間準備して国を背負って戦うこと、怖さに打ち克ってタックルする様、そういったところにも共感していただけたのではないでしょうか。
──今後の日本ラグビーに期待することを聞かせてください。
廣瀬:ベスト8に入ったことで多くの日本の方に知っていただける機会になりましたので、代表が強いというのは本当に大事なことだと痛感しました。今後も定期的に強いチームと対戦できる環境を作っていくことが必要です。また、計画中の日本のプロリーグも詳細はまだですが、ラグビー自体で稼げるような仕組みを作ることも必要不可欠です。