遠征先では近所の公園を探し歩いてキャッチボール 阪神・岩田稔の個人トレーナーが語る7
阪神タイガース・岩田稔投手と二人三脚で支えるパーソナルトレーナーの網川翼さん。
前回までは、トレーナーになるキッカケ、決意、二人三脚でやっているからこそ分かる岩田選手の調子のバロメーター等について語って頂きました。
今回は、「パーソナルトレーナーの一日」について語っていただきました。
ビジターの時は、ジャージ姿でグローブを持ってキャッチボールできる場所を探し歩く
今は岩田選手の身体を毎日触っています。なので、オフの日はできるだけ連絡を取らないようにしています。用事があればしますけど、極力しない。自分のお店(治療院)があって、お客さんも来るので、そちらに居ます。家が近くて、帰り道に寄れる距離なので、練習が終わったら寄るという感じです。
もし練習がある日は、僕が球団外部の人間なので、球団施設やホテルの同じフロアには入れないので、ご飯を付き合ってくれて、身体を触って、練習行って、帰ってまた身体やって、また晩飯を食べるというサイクルですね。
登板の日や合間の日でもやることはありますが、状態によっては施術前にキャッチボールする時もあれば、施術後にキャッチボールをやることもあります。登板日では、必ずボールを受けています。ビジター、遠征の時は、二人ジャージでグローブ持って、近所の公園でキャッチボールできる所を探し歩いています。笑)
やはり、どうしても毎日100点満点に持っていけるのは難しいので、当日100点が出るために、その日80点しか出なければ、その80点をどうやって出し続けるかという確認をしにいく感じです。その日その日の100点を目指して。
感情の共有ができる事が大事
よくセミナー講師として呼んでもらっていますが、パーソナルトレーナーとして必要なことはマンガで例えることも多いですね。スラムダンクの安西先生が「諦めたらそれで終了だよ」というセリフから説明したこともあります。
僕らが身体を見る観点でもそうで、これ以上は取れないとか、これでOKというのはこっちで決めるとダメなんです。これは無理だとなって怪我したら、僕らも終了じゃないですか。
実は、鍼灸の成績はクラスでも底辺だったんです。勉強ができないから(苦笑)。
ずっと一番下位を争っていたんですが、プロ野球の選手を見るとなるとエリートに見られるんですね、自分ではそう思っていないんですが(笑)。
えぇ~っと、ドラゴンボールに例えるのであれば(笑)、下級戦士の孫悟空が初めてエリート戦士のベジータと戦った時に「落ちこぼれだって必死に努力すりゃエリートを超えることがあるかもよ」と言うセリフがあるんですが、これを底辺だった自分に置き換えてずっと持ち続けている、と言う感じです(笑)。
選手の成績が悪かったら悔しいですし、良ければ一緒に喜ぶ。選手と共に共有できている人間でないと、お互い上を目指していくのは難しいのではないか、と。
トレーナーとして「感情の共有もできることが大事です。」と言っています。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
網川 翼(あみかわ・つばさ)
つばさ鍼灸整骨院代表/ 岩田稔パーソナルトレーナー
幼少の頃より自転車競技やトライアスロンなどスポーツに親しみ、一時はプロ競輪選手の道を志すもアスリートを影で支えるコンディショニングに興味を持ち、トレーナーの世界に入る。
自身がスポーツ経験者であることで競技者の心理に寄り添ったコンディショニングが評判を呼び、2013年よりプロ野球選手・岩田稔選手(阪神)とパーソナルトレーナー契約を結ぶ。 家庭では4児の父。
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