新庄BIGBOSSに継承される「ノムラの考え」 メディア攻略は完勝か
注目の開幕3連戦は3連敗。それでも「主役」は、やはり新庄BIGBOSSでした。
スポーツ紙のプロ野球担当記者が解説します。
「日本ハムの今季開幕戦、敵地でのソフトバンク戦を中継した日本テレビ系の札幌テレビでは、世帯別視聴率26・5%をマーク。瞬間最高視聴率は同30・8%を記録したから、メディア関係者はみんな仰天しています。野球の試合では考えられない高視聴率。WBC並みでしょう」
テレビだけではありません。翌日の日刊スポーツとスポーツニッポンの東京本社版はともに、BIBBOSSの初陣を1面でレポートしました。
「北海道ローカルだけでなく、東京でも『BIGBOSS1面が一番売れる』という判断をしたということ。開幕戦で負けたチームが1面を飾るのは前代未聞です」(前述の記者)
BIGBOSSの卓越した「メディア戦略」には、あの人の影響があるのでは-とも巷間、囁かれています。阪神時代の恩師・野村克也さんです。現在の12球団で、「野村門下生」は実に5人。「ノムラの考え」を胸にタクトを振っています。
元ヤクルト担当のスポーツ紙デスクは言います。
「ノムさんはヤクルト監督就任後、長嶋巨人を仮想敵に仕立て、『口撃』を繰り返しました。それを番記者は面白おかしく書きまくった。すると徐々に選手たちが真に受け、両チームの間で遺恨が勃発し、死球や乱闘が頻繁に繰り返されるようになった。気づいたら長嶋巨人VS野村ヤクルトの一戦はファン注目のドル箱カードになっていくわけです。晩年、野村さんは『元々、俺は巨人ファン』と打ち明け、『盛り上げるためにわざと毒を吐いた』と告白しています」