髙阪剛『UFC241』の展望を語る「今度も、両者血だらけの殴り合いになる」
日本時間の8月18日(日)、アメリカ・カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで『UFC241』が開催される。
(写真左より)ダニエル・コーミエ、スティーペ・ミオシッチ、アンソニー・ペティス、ネート・ディアス 写真:Getty Images
メインイベントは、1年ぶりの再戦となる王者ダニエル・コーミエvs挑戦者スティーペ・ミオシッチのUFC世界ヘビー級タイトルマッチ。さらに「悪童」ネート・ディアスが、元ライト級王者アンソニー・ペティスを相手に3年ぶりのオクタゴン復帰戦を行う。
この2試合の見どころを、「世界のTK」髙阪剛に語ってもらった。
——『UFC241』のメインイベントは、ダニエル・コーミエvsスティーペ・ミオシッチのUFCヘビー級タイトルマッチ。じつに丸1年ぶりの再戦になりますが、この一戦を髙阪さんはどう見ていますか?
「前回の試合以降、コーミエはデリック・ルイス相手に一度防衛戦を行なっていますけど、ミオシッチは試合自体が1年ぶりなんですよね。だからある意味で、1年の時を経たとはいえ、ダイレクトリマッチみたいなもの。そしてコーミエからしたら、前回勝っているだけにやりづらいと思うんですよ。」
——KOで倒した相手との再戦ですから、コーミエにとってはメリットが少なく、リスクの方が多い試合だと。
「そうなんですよ。自分がチャンピオンであることを証明するには、もう一回勝たなきゃいけないわけで。だからコーミエ側からしたら、前回のようなことをもう一度起こせるかどうかがポイントになりますね。」
写真:Getty Images
——前回はライトヘビー級王者だったコーミエが体格差をはねのけ、右フックでの1ラウンドKO勝利でした。
「前回は4分台という短い試合時間でしたけど、その中で勝敗を分けるポイントは、中盤の組みの展開にあったと思うんですよ。スタンドで組みの攻防があったあと、コーミエは離れ際に左のジャブを当てているんですよね。そこから、同じようなタイミングで左のジャブが当たりだして、さらにローキックが入りだしていたんです。」
——あそこで、いいジャブを当てたコーミエに試合が傾いたという。
「組みの展開は、ミオシッチ的にはもしかしたらテイクダウンも奪えたかもしれない場面だったんですけど、コーミエがうまくそれをいなして、そこで一瞬、ミオシッチが失速しかけたように見えたんですね。コーミエはそこを見逃さずにジャブを当てて、自分の距離を設定することができたんです。それと同じことが、今度の試合でもできるか、ということです。」
――当然、ミオシッチも今度はキワの攻防や、スタンドでの距離の設定というものに細心の注意を払う、ということですか。
「だからあそこで、逆にミオシッチが距離をとって、前蹴りやローキックでコーミエを前に出させないようにしていたら、試合も1ラウンドでは終わってなかったと思います。」
写真:Getty Images