UFC史上最強の問題児、コナー・マクレガーの復帰戦は激闘必至!?髙阪剛が『UFC246』の展望を語る

タグ: , , , 2020/1/10

ドナルド・セローニ 写真/Getty Images

――自分より長身のストライカーであるセローニとの相性はどうでしょうか?
「悪くないと思うんですよ。結局、セローニもディフェンスを固めて、サークリングをして、隙を見てパンチを打つようなタイプではないし。自分から仕掛けていくことで相手に穴を作って、最後に畳み掛ける試合の作り方なので。自分から攻撃するということは、イコール、マクレガーと打ち合いになる可能性が高いですからね。」

――でも、セローニはストライカーのイメージがありますが、一本勝ちが17度もあって、極めも強いです。そこは寝技が弱点と言われるマクレガーにとっても警戒すべき点ではないでしょうか?
「もちろんそうですが、同じ寝技でもヌルマゴメドフとセローニでは、これまたタイプが違うんです。グラウンドで潰して、潰して、逃げ道をなくしていって、最終的に首なり腕なりを極める。寝技の理詰めで相手が何もできない状態まで追い込んで仕留めるのがヌルマゴメドフの寝技なんですよね。それに対してセローニの場合は、グラウンドになっても打撃を積極的に入れていって、相手がそれを回避しようとして動いた時や、もしくは展開作りの中で極めていく。あとは仰向けになってから三角絞めで極めることも多いし、それも含めて、流れの中でやる寝技なんですよ。」

――寝技の攻防あっての極め、というわけですね。
「で、もし仮にマクレガーがグラウンド状態になったとしても、そこには付き合わないと思うんですよね。」

――マクレガーは以前、ネート・ディアスにも一本負けしていますから、極力、グラウンドになる前に仕留めようとする可能性が高い。
「そうですね。あと、メンタル面も試合に影響を与えると思うんです。これはお互い言えることですが、連敗同士なんですよね。マクレガーの方も、フロイド・メイウェザーとのボクシングマッチを含めれば連敗中ですから。」

――実際、マクレガーはエディ・アルバレスを破ってUFCライト級王者になった時以来、3年2カ月も勝利から遠ざかっています。
「だから、お互い勝ちたいっていう気持ちが、ものすごく強い状態での試合になると思うんですよね。その一方で、メンタル的には2人とも、負けない試合をやってまで勝ちたくないと思っているフシがあるんですよ。だからどうやったら勝てるのかという、前向きで攻撃的な考えでオクタゴンに上がるはず。いわば、勝ちに飢えている状態なので、お互いが仕留めにいく戦いをすると思うので、すごくいい試合になる可能性が高いですね。」

――両者ともにKOを狙ってくると思われる中、打撃戦ではどの辺がポイントとなりますか?
「やはり、お互いのサイズの違いがまずありますよね。身長はセローニが8センチ高いですが、逆にリーチはマクレガーの方が3センチ長い。そうなると、懐は身長の高い方が深くなるので、セローニの方が相手を射程距離に入れやすい。マクレガーの方は、相手の射程距離に入らない位置取りを常に考えないと、打撃をもらってしまう可能性が高くなります。」

――では、ややセローニ有利になりそうですか?
「とも言えないんですよ。セローニは広いスタンスで腕を開く構えなので、ストレートが当てやすいのはマクレガーかなと思いますね。」

――打撃をもらってしまった場合、試合をたくさんこなしているセローニの方が、少し打たれ弱くなっている気もします。
「それは否めないですね。あれだけ激戦を続けていたら、ダメージはどうしても蓄積します。だから正直、フラッシュダウンとか、意識が一瞬飛ぶ回数というのは、セローニの方が増えている可能性は高い。逆にマクレガーの方は、長い期間を休んでからの試合になるので、頭のダメージはきれいになくなっていると思うんです。その中で、倒しに行く前提の打撃をしてくるから、セローニはそれをもらわないようにしないと、身体はピンピンしていても、気がついたらパタッと倒れているようなことも考えられます。」

――では「激闘王」であるセローニがこの試合で激闘をすると、かなり危険だと。
「そうですね。だから、自分らしい戦い方で勝ちたいでしょうけど、それはリスクが高いし、かといってディフェンシブな戦い方はしたくない。頭の中でいろんなことが渦巻きながら準備をしているんじゃないかと思います。」

――そうなると、セローニの出方もポイントになってきますね。
「だから試合の序盤に注目したいですね。試合が始まって1分以内で、どういう戦いでくるのか分かると思います。まっすぐ前に出ていくのか、距離を取ってサークリングするのか。マクレガーは、オクタゴンの中央に陣取ると思うので、そこで勝負するのか、まずはファーストコンタクトに注目してほしいと思います。」

[取材/文・堀江ガンツ]

◆◆WOWOW『UFC-究極格闘技-』放送スケジュール◆◆◆

『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC246 in ラスベガス UFC最強問題児マクレガー、全世界待望の復帰戦!』

1/19(日)午後0:00[WOWOWライブ]生中継
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)

1/23(木)深夜0:00[WOWOWライブ]リピート
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)

【対戦カード】
<ウェルター級> コナー・マクレガー vs ドナルド・セローニ

【収録日・収録場所】
2019年1月18日/アメリカ・ネバダ州ラスベガス T-Mobileアリーナ

【出演】
解説:宇野薫、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
進行:渋佐和佳奈

■詳しくはWOWOW番組オフシャルサイト(https://www.wowow.co.jp/sports/ufc/)をチェック!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

・今すぐ読みたい→
堀口恭司が感じた那須川天心の進化と才能(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/kyojihoriguchi-serialization-47/)

「アスリート/セレブ」新着記事

『CoCoKARAnext』編集スタッフ・ライターを募集

CoCoKARA next オンラインショッピング

PICK UP 【期間限定販売】浅倉カンナ ラストファイトメモリアル 拳トロフィー

浅倉カンナの左拳を本人から腕型を採取し、トロフィーとして完全再現させていただきました。 血管やしわの細部までに忠実に再現した、大変貴重なトロフィーとなります。

商品を見る CoCoKARAnext
オンラインショップ

おすすめコラム