「初の女子2階級覇者アマンダ・ヌネス、フェザー級タイトル初防衛なるか!?」髙阪剛が『UFC250』の見どころを語る
フェリシア・スペンサー/GettyImages
――UFC参戦前、インヴィクタFCやストライクフォースで敗れたのも、シーザー・グレイシー柔術アカデミー所属のグラップラー(アレクシス・デイビス、サラ・ダレリオ)でした。
「当時はスタンドでの距離がもっと近かったので、相手からするとタックルが取りやすい距離でもあった。でも、当時のヌネスは、その近い距離が自分にとってもいい距離だと思い込んでいたと思うんです」
——強打も入れられるし、自分からテイクダウンにもいけるし、と。
「でも、何度か敗れたあと、『自分のストロングポイントはどこなのか』をしっかりと見極める作業を怠らなかったことが、今のヌネスの状態を作ったんじゃないかと思います」
――そして今回の対戦相手のスペンサーは、身体の大きいグラップラーという、かつてヌネスが苦手としたタイプの選手です。
「だから、これは見ものですよね。スペンサーは寝技に自信を持っているだろうし、実際に強いですから。また組むことに躊躇がないんですよね。組んで倒すというのは体力を使うので、一度組んでうまくいかなかったりすると、『今度切られたら、体力的に削られてしまうんじゃないか』という考えが頭をよぎるもの。でも、スペンサーは躊躇なく再度ケージに押し込んでテイクダウンを狙っていったりしますから。それを2回3回続けるというのは、余程そこに自信があるんでしょう」
――となると試合展開としては、スペンサーが何度も組みつきにいき、ヌネスは組みつかせないようにスタンドの遠い間合いで勝負しようとすることが容易に考えられます。
「やりたいことが逆なんですよ。だから主導権の取り合いになるだろうし、そこで本人たちがどういったことを起こすかが注目ですね」
——それと、スペンサーには打たれ強さもあります。
「そうですね。多少打たれても気にせず前に出てくるし、逆に打ち返しておいて、組みにいったりする。サイボーグとの試合でもそうでしたが、気持ちの強さとそもそもの打たれ強さを持っている。また、身体はけっしてバキバキなわけではないですが、あれが組んだときに『密着力』が増すんですよ」
――巨大なお餅が乗ってくるような、いわゆるジョシュ・バーネットタイプ。
「だから相手からすると、組みつかれているだけで息が上がってきたりするんです。そしてヌネスは、寝技でそういう状態に持ち込まれるのが嫌で、今のスタイルを作り上げた。だからスペンサーが組みついてきたとき、ヌネスがどう対処するのかが見ものだし、それも攻略して上回るようなら完全無欠の選手にまた近づく。その辺のモノサシにもなる試合だと思います」
――無敵のヌネスを倒すとしたら、スペンサーのようなタイプであり、ヌネスがそれさえも返り討ちにしたなら、より『完全体』に近づくと。
「お互い相手がやりたいことはわかっているので、対策は立てやすいと思うんです。だから、あとは5ラウンドあるので、どこで意外な攻撃を差し込んでくることができるか。スペンサーは、サイボーグとの試合で、タックルのフェイントで縦のヒジ打ちを入れて、サイボーグの顔面をカットしたり、意外なこともやってくる。そういったところにも注目したいですね」
[取材/文・堀江ガンツ]
◆◆WOWOW『UFC-究極格闘技-』放送スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC250 in ラスベガス 無敵の最強女王ヌネス、フェザー級タイトル防衛戦!』
6/7(日)午前11:00[WOWOWライブ]生中継
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)
6/12(金)午前11:30[WOWOWライブ]リピート
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)
【対戦カード】
<女子フェザー級タイトルマッチ> アマンダ・ヌネス vs フェリシア・スペンサー
【収録日・収録場所】
2020年6月6日/アメリカ・ネバダ州ラスベガス UFC APEX
【出演】
解説:髙阪剛、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
■詳しくはWOWOW番組オフシャルサイト(https://www.wowow.co.jp/sports/ufc/)をチェック!
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