【UFC271】「MMAのいろんな要素が詰まったトップ・オブ・トップの戦い」ミドル級最強同士が再び!
ロバート・ウィテカー/Getty Images
――一方、王者アデサニヤ側のポイントはどのあたりにあると思いますか?
「アデサニヤは、昨年3月にヤン・ブラホヴィッチが持っていたライトヘビー級王座に挑戦した際、1階級上とはいえ『寝かせてしっかり押さえ込んでしまえばなんとかなる』というところをちょっと露呈してしまった感がありましたよね。」
――テイクダウンディフェンス能力は高いとはいえ、やはり寝技がウィークポイントなんだという。
「だから前回のマーヴィン・ヴェットーリ戦では、タックルのディフェンスはさらに上達してはいましたけど、やはり寝かされたシーンは何度かあって。また寝かされないにしても、スタンドの組みの攻防のあとは、ちょっとスピードが緩くなってたんです。」
――組みの攻防で体力を使ってしまうことで、アデサニヤの生命線であるスピードに影響が出ていた、と。
「だから、そうやって体力を削っていくことができれば、突破口が見えてくる可能性がある。ウィテカーは空手出身のストライカーなので、タックルをゴリゴリ仕掛けてくるタイプではないですけど、要所要所で相手の状態を見てタックルに入るのがうまいんですよ。MMAって心理戦の要素も重要なんですけど、相手がちょっと焦っていたり、状態が崩れたところに仕掛けるのがウィテカーはうまい。」
——いわゆる『ファイトIQ』が高い選手ですね。
「そうです。ラウンド終わりでしっかりテイクダウンを取るとか、そのへんのテクニックはかなりのものを持っているので、そういうのを混ぜれると、また前回とは違う試合展開になるのかなと思いますね。」
——前回のアデサニヤvsウィテカーは、タイプの違う打撃のスペシャリスト同士のスタンド勝負という側面がありましたもんね。
「前回はウィテカーのほうに『俺は打撃でもアデサニヤより上だ』という思いが強すぎて、それ一辺倒になってしまった気もするんです。実際、アデサニヤに対して正攻法であれだけしっかり打撃を当てることができた選手って、ウィテカーぐらいだと思うんですよね。だから今回はその強みを活かすためにも、タックル含めたMMAの技術をいろいろと混ぜながら、試合の駆け引きも考えた戦いをしてくるんじゃないかと思います。
ただ、アデサニヤの方も当然、ウィテカーが前回と同じような戦法で来るとは思っていないだろうし、ウィテカーが考えていることをさらに上回る対策を考えている可能性もありますから、もうこれはどうなるかわからないですね(笑)。」
——いずれにしても、バージョンアップした両者による前回よりさらに高度な戦いが見られそうですね。
「それは間違いないと思います。そもそもミドル級という階級は、フィジカルが飛び抜けているだけでもダメだし、テクニックだけでもダメ。重量級のパワーと軽量級の技術を持ち合わせた上で、さらにスペシャリティを持っていないと勝ち残れない世界ですから。その頂点を決めるアデサニヤvsウィテカーというのは、MMAのいろんな要素が詰まったトップ・オブ・トップの戦いが見られるんじゃないかと期待してます。」
(聞き手・文/堀江ガンツ)
◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール◆◆◆
『UFC‐究極格闘技‐ UFC271 in ヒューストン ミドル級最強王者アデサニヤVS最強挑戦者ウィテカー』
2/13(日)午後0:00[WOWOWライブ]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
2/19(土)午前0:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【対戦カード】
ミドル級タイトルマッチ/イズラエル・アデサニヤ vs ロバート・ウィテカー
【収録日・収録場所】
2022年2月12日(現地)/アメリカ・テキサス州ヒューストン トヨタセンター
【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一
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