【UFC274】ダブル王座防衛戦!激闘必至の注目カードの行方を“世界のTK”が読み解く!!
ローズ・ナマユナス/Getty Images
――続いてセミ・メインイベントは、ナマユナスvsエスパルザの女子ストロー級タイトルマッチ。ストロー級も女子最激戦区と言っていいかと思いますが、王者ナマユナスはライバルのジャン・ウェイリー、ヨアナ・イェンジェイチックを2回ずつ倒して、頭ひとつ抜けた存在になりつつありますね。
「そうですね。安定してきた感がありますね」
——ナマユナスの快進撃の要因はどう見ていますか?
「ナマユナスもオリヴェイラと同じく、もともと組みが強いグラップラーだった選手が、打撃を磨いたタイプですよね。相手からすると当然、組技を警戒しなければならないのに、打撃レベルがかなり高いというのが、やりづらくしている要因だと思います。
その打撃自体、自分からプレッシャーをかけていくんですよね。相手からすると、そのプレッシャーをかわすためには、そこにタックルを合わせたり組みついたりという選択肢が当然あると思うんですよ。でも“組んだらナマユナスは寝技が強いしな”という思いがあるから、そこで相手に迷いが生じるわけですね。
たとえばジャン・ウェイリーなんかは、スタンドでプレッシャーをかけられて、タックルやローキックを警戒して意識が下に向いたところでハイキックを入れられたり。イェンジェイチックもそれで顔面に連打をもらってますよね」
――だからこそ、ウェイリー、イェンジェイチックというトップストライカーが、本来グラップラーだったナマユナスにKOされたわけですね。ただ、今回の挑戦者エスパルザは完全にレスラーです。
「がんがんタックルに入ってくるタイプですよね。だから今回、エスパルザ側からするとタックルが取れる距離を早く見つけることと、その設定ができる状況を作ることが大事だと思うんですよ。そのためには相手を不用意に出てこさせるとか、自分からプレッシャーをかけて足を止めさせるとか、ケージ際まで追い込んだりする必要が出てきますけど、それをナマユナス相手にできるかどうかですね」
――エスパルザは、ナマユナスのグラップリングを怖がらない相手でもあります。
「なぜ極めが強い相手に対してもタックルにいけるかというと、エスパルザは倒してトップポジションを取ったとき、へたに寝技をやらないんですよね。トップキープに専念して、そこから極めにいったり、へたしたらパスガードも狙わずに、そこからパウンドとヒジを落としていく。そのパウンドとヒジが強いし、要は漬けるだけなので隙が生まれにくいんですよ」
カーラ・エスパルザ/Getty Images
――そうして確実にラウンドを取りにいくと。
「そういうシンプルな試合運びをするので、おそらくナマユナス相手にもタックルを仕掛けていくと思うんですけど。要はそのタックルが成功するかどうかですね。逆に言うとテイクダウンを奪えなかったら、厳しい展開を強いられると思います。
また、テイクダウンが取れたとしても、エスパルザはトップキープをしようとして立たれた時、けっこう消耗していることが多いんですよね。ナマユナスは寝技から立つ動きとか、下からサブミッションを仕掛けながらスタンドに戻す技術をいろいろ持っているので、しっかりとトップキープしてドミネートできるかですね」
――ナマユナスにとってエスパルザは、UFCデビュー戦である初代ストロー級王者決定戦で敗れた相手ですから、成長ぶりを証明したいところです。
「だからエスパルザ相手だからこそ見られる、ナマユナスの技術の幅の広さみたいなものが見られるかもしれないし、自分はそこに期待していますね」
(聞き手・文/堀江ガンツ)
◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC274 in アリゾナ ライト級オリヴェイラVSゲイジー、女子ストロー級ナマユナス防衛戦!』
5/8(日)午前11:00[WOWOWライブ]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
5/13(金)午後4:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【対戦カード】
ライト級タイトルマッチ/シャールズ・オリヴェイラ vs ジャスティン・ゲイジー
女子ストロー級タイトルマッチ/ローズ・ナマユナス vs カーラ・エスパルザ
ライト級/マイケル・チャンドラー vs トニー・ファーガソン
ライトヘビー級/マウリシオ・ショーグン vs オヴィンス・サン・プルー
ライト級/ドナルド・セローニ vs ジョー・ローザン
【収録日・収録場所】
2022年5月7日〈現地〉/アメリカ・アリゾナ州フェニックス フットプリント・センター
【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一
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