【UFC279】11戦全勝の最強ファイターvs最強の悪童”が激突!「新しいチマエフを出さないとディアスには勝てないと思う」

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ネート・ディアス/Getty Images

――一方、ネート・ディアスは、前半どんなにボコボコにやられても最終的に盛り返して勝てばいいという戦い方を信条としています。
「だから今回は、そのスタミナ抜群のネート・ディアスとチマエフが、5分5ラウンド制で戦うというのがいちばんのポイントですよね。で、ひとつ疑問に思うのは“ネートって、なんであんなにスタミナがあるの?”ってことだと思うんですよ。ネートには悪いですけど、そこまで追い込んで、スタミナを向上させるための特別なトレーニングをしているように見えないじゃないですか(笑)」

――昔からトライアスロンに取り組んでいるのは知られていますけど、一方でいろんな葉っぱを吸ってたりしますしね(笑)。
「だからあのスタミナの秘密は、ネートの戦い方にあると思うんですよ。注意深く見ると、ネートは攻撃も防御もほぼ“いなし”を使ってるんです。もちろんネート最大の武器であるパンチのワンツーを入れるときは体重を乗せて、出力も使っているんだけど、他の動きに関しては脱力してなるべく体に負荷がかからないようにしている。ネートがよく見せる、距離を取るための軽い蹴りの時、両腕をブランブランにさせているのなんて、まさにそれですよね。
ネートの中には“体に負荷がかからないように動く”ということが、おそらく主題としてあるんだと思います。だから5ラウンドまでいっても動きは変わらないし、逆に相手はどんどん消耗しているので、ちょっとしたフェイントに引っかかって、ネートのパンチや寝技の餌食になってしまう」

――無駄な力を使わず、フィジカルで勝る相手を時間をかけて仕留めるというのは、かつてのヒクソン・グレイシー、ホイス・グレイシーなんかにも通じるものがありますよね。
「だからネートはMMAの試合の中で、自分なりの“柔術”で戦っているような気がします」





――あのネートの戦い方こそが“ディアス柔術”だという。
「それに対して、これまで1ラウンドからフィジカルを全開で使って短時間で圧倒する戦い方をしてきたチマエフが、5ラウンド制でネートとどう戦うのか。ネートというこれまでとはまったく違うタイプの選手とやってスタミナを消耗した時、どんな技を持っていてどんな動きができるのか、それを見るのがすごく楽しみですね。
おそらくバーンズ戦を踏まえて“これじゃいかんぞ”と思って、自分なりに新たに取り組んだものもあるだろうし。どちらにしても、新しいチマエフを出さないとネート・ディアスには勝てないと思うんですよ。もしかしたら、その力を引き出すのは、他ならぬ対戦相手のネートかもしれない」

——ネート・ディアスは相手の心理を弄ぶようなところがありますよね。
「相手をイライラさせて、平常心でいられなくする、それもネートの技術ですから。あの粛々と任務を遂行するような戦いをするレオン・エドワーズが、ネート戦では試合中に中指を立てたんですよね。あれは相当、フラストレーションを溜めさせられたんだと思うんですよ」

――そのイライラもあって、最終5ラウンドに反撃を許してしまったのかもしれないですよね。
「そうやって心理的に追い込んでいく術をネートは持っているので、それが野性のチマエフにどこまで働くのか。逆にネートの揺さぶりを簡単に凌駕するほどの力をチマエフが見せるのか。単に技術やフィジカルの攻防だけでなく、心理面も含めていろんな角度で楽しめる試合になると思いますね」

(聞き手・文/堀江ガンツ)

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◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC279 in ラスベガス 無敗チマエフVS悪童ネート・ディアス』8月、UFC契約を勝ち取った木下憂朔がゲスト解説出演!

9/11(日)午前11:00[WOWOWライブ]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)

9/14(水)午前8:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)

【対戦カード】
・ウェルター級/ハムザト・チマエフ vs ネート・ディアス

【収録日・収録場所】
2022年9月10日<現地>/アメリカ・ネバダ州ラスベガス T―モバイル・アリーナ

【出演】
ゲスト:木下憂朔
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
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