阪神の通訳がブラジルのWBC出場になぜ貢献? 春季キャンプを離れて続けた“異例の挑戦”「とても規律正しいキーマン」

ブラジル代表の一員としてWBC出場をかけた戦いに挑んだ伊藤。(C)Getty Images
意外な背景を持つ“名手”の存在が球界でにわかに話題となった。
現地時間3月6日、米アリゾナ州トゥーソンで来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選の米国ラウンドが開催。6-4でドイツを下したブラジルが、第3回以来3大会ぶりの本戦出場を決めた。
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世界的に「サッカー王国」の印象が強い大国が野球の本場で快哉を叫んだ。ヤクルト外野守備走塁コーチの松元ユウイチ氏に率いられたブラジルは、初回に1点を先制されるも、直後に元メジャーリーガーのダンテ氏を父に持つ、4番ダンテ・ビシェットJr.の適時打などで逆転。さらに2-2で迎えた3回には再びビシェットの中前適時打で勝ち越しに成功。その後は元広島の仲尾次オスカルらの継投で逃げ切った。
3年ぶりの世界大会への切符を勝ち取った精鋭たち。その快進撃に小さくない貢献を果たしたのが、日系ブラジル3世の伊藤ヴィットル。阪神で務めている通訳業との掛け持ちで挑んだ大会だった。
野球の才覚は折り紙付きだ。生まれてから中学までをブラジルで過ごした伊藤氏は、父親や兄弟の影響で幼い頃からサッカーではなく野球に没頭。実力はめきめきと伸び、来日後に進学した共栄大4年時の16年のWBC予選でブラジル代表に初選出されていた。